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妄想アジア縦断旅行(8) 中国大陸編7

杭州から廈門へ向かう。杭州東駅から高速鉄道で5時間ほどかかるとのことだ。廈門は福建省の中の都市でアモイと呼ぶが、これは福建語であり、標準中国語ではシアメンと読むそうだ。西洋とアジアが融合する街並みはリゾートとして中国内外で人気がある。しかし私が廈門に来たのは別の理由からだ。

今回の目的地は廈門の沖合数キロのところに浮かぶ島、金門島である。

金門島は中国大陸の至近の島ながら、台湾の統治下にあり、廈門からフェリーで行くことができる。今回の旅は陸路が基本で飛行機は使わないとこから、普通であれば大陸中国から台湾に行くことはできない。しかし金門島へは行くことができるので、これは私の旅にとって大きなモチベーションだった。

ちなみに私は中国に台湾が属するかどうかとか、そういうことを今回論じるつもりはない。しかしながら廈門から金門島に入る時には通関作業があるのかどうか、それは気になって気になっていたので調べたところ、乗船時には出国手続きがあるようだ。台湾が中国の一部であると大陸中国は主張しているのに、出国の手続きはあるという事実に対し、なんだか不思議な感覚に陥った。

ともあれ台湾上陸である。まずはフェリーの出ている五島ターミナルに向かう。ここで乗船チケットを購入しいざ金門島へ。金門島は台湾を中国から守った砦のような場所であり、その時の名残りを見ることができる。翟山坑道、馬山観測所などがそうだ。現在も台湾軍が駐留しているが、経済は中国に依存しているようである。
そしてグルメである。金門で育てられている牛は黄牛と呼ばれていて、金門特産の高粱の酒粕を使って育てられたブランド牛だそうだ。これは食べてみたい。他にも牡蠣入りの線麺(素麺)やタロイモを使ったデザートなどもある。

金門島を堪能し、廈門に戻る。福建省のグルメも楽しみである。海鮮がたっぷり入った濃厚スープが絶品の沙茶鍋(シャーチャーグオ)、牡蠣のお好み焼きと称される海蛎煎(ハイリージィェン)などはぜひ味わってみたいが、特に私は福建省のグルメで確かめてみたいものがある。それは、

福建炒飯である。

10年以上前、仕事で年に2回ほどサンフランシスコに行っていた。5年ぐらい続いたと思う。サンフランシスコに行くと一度は必ず、Mayflowerという名前の中華料理店に足を運んだ。いわゆるチャイナタウンではなく、別の場所にあったが人気店だった。そこで必ず食べたのが福建炒飯だ。普通の炒飯にシーフードの入った餡がかかっており、大変美味しかった。この料理は日本にもあるのだが実際に福建省で食べることができるかどうか、探してみたい。

廈門を楽しんだら次の目的地は広東省の深圳だ。廈門北駅から深圳北駅まで、高速鉄道で3時間少々で着く。次回は深圳を楽しむ。妄想は広がるばかりである。

【今回の旅程】
杭州 〜 廈門  高速鉄道
廈門 〜 金門島 フェリー
廈門 〜 深圳  高速鉄道

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