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妄想アジア縦断旅行(5) 中国大陸編4

タイトル写真に下手な字を出してしまい恐縮である。ビャンビャン麺のビャンの文字をどうしても知ってほしくて、手書きをしてみた。この字の意味を知りたいものである。

さて、憧れのビャンビャン麺を本場で味わうために西安にやってきたが、ここにはもうひとつ私の興味をそそるものがある。それを紹介する前に西安がどんなところか紹介したい。

西安はかつての名前を長安といい、その歴史は古く、西周、秦、漢、隋、唐の都城と十三の王朝の都として二千数百年の歴史を有す古都である。またシルクロードの東の端の都市として、イスラム文化との十字路であったそうだ。

私の興味となっているものは、まさに西安の一番の見どころとなっている「兵馬俑」である。これは秦の始皇帝の時代に作成され、地中に埋もれていた8000体の馬、兵士、将軍の陶器でできた像のことで、現在は秦始皇兵馬俑博物館の名称で保管、公開されている。世界遺産であり有名な史跡なので知ってる人も多いと思う。他にも様々な見どころがあるが、市街地の近くにはイスラム教徒地区があり、ここの美食街ではふたつの文化を同時に味わえるとのことだ。

西安を堪能した後はついに四川省の成都へ向かう。成都に行く最大の目的は成都付近にある「パンダ保護研究センター」である。現在臥龍保護センターを中心に幾つかの保護センターが成都周辺にあるようだ。
私とパンダの出会いは1983年だったと思う。受験のために東京に出てきて数日間宿泊した。いわゆる受験旅行というやつである。ある日、宿泊先の部屋を清掃のために追い出された私は行くところもなく、自習のできる図書館などもわからなかったため、やむなく山手線に乗った。前日は大雪で受験会場の前で派手に滑って転んでしまい、その日の受験は散々な状況だったので気分転換をしたくなった。

そうだ、パンダに会おう。

そう思ったのだった。パンダに会ってあの愛らしい姿を見たら、前日までの嫌な気分が吹っ飛ぶに違いない。そう考えたのだった。
しかし現実はそれほど甘くはなかった。その日は晴天で前日降った雪が解け、あたりは泥の道と化していた。私はブーツを履いていて歩きにくいぬかるみを歩き、パンダのいるところに向かった。しかしである。パンダは私に背をむけたまま横になり、いつまでたっても動こうとはしなかったのだ。しかもパンダは黒白ではなかった。前日の雪がたたり泥まみれの様相で、お世辞にも可愛いとは言い難い茶色のケツを私に見せるのみであった。私は酷く落胆した。しょんぼりと宿泊先に帰った。そしてその受験旅行の結果については聞かないでほしい。

西安から成都へは、高速鉄道や普通列車、寝台列車で移動できるようだ。高速鉄道なら4時間、普通列車なら12時間ほどの旅になる。しかしながら今回はバスで向かうことにする。これまでの移動はずっと高速鉄道だったが、私はバスで移動できるチャンスを狙っていたのだ。10時間ほどかかるようだがそろそろ鉄道も飽きてきたので、私は深夜バスのシートに身を委ねることにした。いよいよ四川省に向かう。パンダとあの辛い料理が私を待っている。

【今回の旅程】
西安 〜 成都  バス 約10時間

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