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二つ目の世界線。その17

2024年8月8日
今日はWynton Marsalisの生徒さんと練習する日。

彼の名前は、Anthony Hervey。
元生徒という方が正しい思う。

最近大雨が続いていて、朝は晴天でも急に雨が降ってくるようにな日が続いていた。
案の定今日も気まぐれの大雨。

今回の旅行での1番の反省点は折りたたみ傘を持ってこなかったこと。

アメリカは北半球だから、太陽近い(気がする)し、太陽サンサンでしょう!と思って持ってこなかったのだ。

以前シアトルに同じ時期に行ったときは雨なんて一度も降らなかったから、鷹をくくっていたのだ。


大雨にあたり、これから人の家に上がって練習するとは思えないほどに雨に当たってしまったが、彼は優しく、タオルを貸してくれた。

あたったのが上半身だけでよかったよ。

タオルで拭いて、コーヒーをご馳走になり、自然と練習は始まった。


お互いにまだウォーミングアップをしていなかったので、初手の初手から始めた。

私は息使いについて悩みがあったので、そこを重点的に教えてもらった。


レッスンが終わってみるとあら不思議。

音色が全く変わったのだ。

こんなに変わる?っていうくらい。


彼には3〜4時間みっちり教えてもらって、何かお礼がしたかったが圧倒されすぎて何もできなかったのが悔やまれる。

今度ニューヨークに行った時にギグにお誘いしよう。

その日は家に帰って教えてもらったことをまとめ直した。
きっかけはなんであれ、眠っていた12チャンが開かれたような感覚。
普段はあまり押さないテレビショッピングチャンネル。
そんな感じ。(どんな感じ?)



2024年8月9日
今日はSMONKにてJohnathan Blakeのバンドを見に行った。

メンバーは盛りだくさん。二郎系ラーメン並に贅沢だった。(ラーメン大好きです)

Steve Wilson - alto saxophone
Chris Potter - tenor saxophone
Sullivan Fortner - piano
Dezron Douglas - bass
Johnathan Blake - drums

ね?すごいでしょう。

SMONKに行くときは、いつもステージ真横の席に座る。
ドラムの真横でひらけたステージを一番近くで見る。
すでにかなり贅沢贅沢。

なんで今日にしたかって、Chris Potterの演奏を生で聴けるから。

実は密かにアメリカ滞在2番目の目的。

日本にいる友人にChris Potterを崇拝している人がいて、ぜひ生で演奏を聴いてみたいと思っていた。


一言に、『秀逸』だった。


それと同時に、友人が彼の音色も似ていたり、受け答えも似ていることに気付き一人でニヤニヤしてしまった。

実はJohnasan Blakeの演奏は生で初めて見た。

私の中で、何種類もいるドラマーの中で最も見た目だ違いがわかりやすいのはシンバル類の高さだと思う。

私の入っているバンドのドラマーはライブ近辺の出来事やその日の気分などでシンバルの高さがわかりやすく変わる。
シンバルが高ければ高いほど、気分が乗っている、らしい。


それとは裏腹に、Johnathan Blakeのシンバルは
全てタムギリギリだった。

ものすごく低い。

ハイハットとクラッシュシンバルがぶつかりそうなくらい。でも絶妙にぶつからない。

見てても楽しかった。

彼はとても体が大きく、椅子も高めにして座り、手の位置は低めでドラムを叩く。

シンバルが彼の右後ろあたりまであるのに、
一枚一枚ぶつかり合うことなく、くっきり綺麗な音を奏でる。

しかも、腕捌きが…

細かすぎて、ドラマーではない私からは事の凄さが半分くらいしかわかっていないのだろうが、
細かいのにはっきりしてて聞きやすく、尚且つ技がものすごくて。

オリンピック体操で、ジャンプしてから着地するまでに技を何個も綺麗に入れて、完璧な着地を決める選手。
みたいな。

早すぎて何をしているかわからないけど、鮮明で、ものすごく綺麗でかっこよかった。


私の大好きな曲”L’s Bop”を演奏してくれた。
私はドラムのキメが全て頭に入っていたので体が勝手に反応してしまった。
ノリノリで聴いてたらJohnathan Blakeと目が合ってしまった。

『君はこの曲がすごく好きなんだね?』ってニヤリ顔。

そうなんです。

終わった後挨拶しに行ったら、
「あの曲ほんとに好きなんだね笑」って
恥ずかしい🫣

けど良い話の切り口になった。

とても優しく、人を包み込んでくれるような暖かさを持っている人。

最高の思い出になったな。

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