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『本を贈る』 本好きの人の共感より恋物語に傾くけど、やっぱり本好きの人に観てもらいたい 

映画を観る前にネットでいろんな予告動画を見てから観る映画を見つけたりするわけですが、最近気になった予告動画で『本を綴る』と言う作品がありまして、その情報を見てみるとその前作に当たる『本を贈る』という作品があることを知りました。

これは、映画を観る前に前作を見ねばなりますまい。
しかも、この作品はYouTubeで無料公開されているらしい。
これは観るしかない。
ということで、全9話を観ることにしたわけです。
予告編動画はこちらなので、興味が湧いたら是非本編も見ていただきたい。

それで本編がこちらなんですが

本に興味がある、本屋に興味がある人には良いドラマだと思います。

東京都書店商業組合が製作のこの動画、毎回本編の前に童話が語られるのですが、ドラゴンに苦しむ人々を助けるために王女が犠牲になるというのが何度も繰り返し語られるのですが、これって本屋を続けるためには、自分を犠牲に娘が後を継がないと本屋は続けられないってことですか。
と思っていたら、童話はサンジョルディという男がドラゴンを倒すという話の続きが語られます。
でも、そのドラゴン、いくら絵本だからと言って小さすぎないか。
まぁ、いろいろツッコミどころはあるのですが、それぞれの本屋で本屋に来る客を迎えるためにいろいろ工夫をやっている姿やとか見れて、自分が書店員としての工夫はまだまだだなぁと思い出してしまいました。
書店員と言っても店主ではなくアルバイト店員としてだから、やはり責任感というか逼迫していなかったんだろうなぁと思います。
もしも、自分の本屋だったらどうしただろうと思いながら、鑑賞しました。
ただ、こういう恋模様は私が勤めていた書店には全くありませんでしたけど。
と思いつつ観ていたけど、終盤でやっと気付きました。
あぁ、この物語って、本を贈る習慣として語られたサン・ジョルディの伝説というか昔話だったのね。男性は女性に薔薇の花を贈り、女性は男性に本を贈る。いやいや、私男性でも人に本を贈りたいんですけど。
それはそれとして、こういう取組で本屋を楽しむ人が一人でも増えてくると良いですね。

正直東京の本屋さんだけでなく、日本全国の本屋さんを巡ってみたいというのが私の気持ちですが、最近の本屋さんは書店員と話をする、話ができる本屋がどんどん減っていってる気がします。
私が書店員としていたときは本の会計をしていたときに、その人が買った本に応じて、話せる人にはお奨めの本もちらほらと勧めたりしていたのですが、レジの会計を無人で客にさせるシステムが導入されている今、書店員と客との壁がより一層高くなり、大きな溝がある気もします。
本屋が年々減っていく今の日本、大型書店と独立系小型書店と両極端の本屋だけになり、雑多な本があった「マチの本屋さん」というのは消えていくだけなんでしょうか。
ま、少なくとも、コンビニに「マチの本屋さん」を名乗ってほしくはないなぁと思う、今日この頃なのです。

そして、『本を贈る』を見終えた今、『本を綴る』を更に観たくなっています。今度は主役は一関先生なのね。でも、『本を贈る』では完全に語られなかったあの人達とあの人達の行く末も映画『本を綴る』で語られると良いなぁ。

で、肝心な観に行こうと思っている『本を綴る』なんですけど、上映館を観てみると広島が無い。
この映画のために他県まで遠征するのかどうか、悩みどころですが、御書印とか御朱印を求めて旅をするついでに行ってみようかとも考えている今日この頃なのです。

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