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フィンランド人によって庭のミントが日の目を見た

わたしは裏庭のミントにあやまらなければならない。

ずっと雑草扱いしてきたことを。

この家に引っ越してきて9年。

庭のすみっこに生えていたのは知っていた。

夫が草刈りするたびにふわっとミントの香りがただよってきていたことも知っていた。

でも、私の中では、「うん、今年も生えてきましたね」くらいの存在だった。
使ったとしても、時々お酒やドリンクに数枚浮かべたりしていたくらい。

多分、ハーブ使いの人たちからしたら、なんてもったいないことを!という案件だと思う。
ごめんなさい。

ところが数日前、なんとそのミントが食卓の主役に突如躍り出た。

我が家の裏庭に自生するミント

私たちにはフィンランドに住む家族がいる。

夫の妹はフィンランド人と結婚してずっとフィンランド暮らし。

北欧は休暇が取りやすいとは聞いているけれど、夫婦共働きにしてはよく休暇を取ってヨーロッパ周辺を旅行したり、カナダに帰ってきたりしている。

今回も義妹の里帰りということで、また夫婦で休暇を取りカナダに数週間滞在する予定で戻ってきた。子どもが小さいうちになるべく帰ってきておきたいのだと思う。

義妹家族は帰ってくると我が家にも必ず数日滞在する。

私は全く気を遣わない。
というより、変に気を遣うのをやめた。私が楽なのはもちろん、その方が向こうも気楽に滞在できることに気がついたから。

だから、ご飯もみんなで「今晩どうする?」みたいな感じで話し合って決める。
テイクアウトでいいよねってことになったら、遠慮なくテイクアウトで済ます。

今回、まさかの到着したその日、義妹の旦那さんが「ぼく、アイデアがあるんだけど」と提案してきた。

「さっき、裏庭を見たらミントがたくさん生えているのに気がついたんだ。あのミントを使った晩ごはんにしてはどうかな。」

すると義妹も、
「じゃあ、私はミントとライムでレモネードを作るわ」
と続いた。

我が家に森と湖の国の風が吹いた。

わたしが勝手に想像している、"森でベリーやキノコを摘んで料理をするおとぎの国フィンランド人” がそこにいた。ちなみに、わたしは大の北欧好きである。なので北欧暮らしを妄想するのも得意。

わたしたち夫婦はスーパーで買い出しをし、到着したばかりの義妹夫婦が台所に立つ。
おもてなしの国日本の人たちからしたらあり得ない構図だろうけど、彼らがやってくれるというのでしょうがない。

わたしは助手的な感じで、調味料やキッチン用品の場所が分からない時のためにダイニングでスタンバっておいた。そして後はフィンランドから到着したばかりのふたりに任せた。その間、夫と子どもたちは小さな従兄弟(甥っ子)と遊んであげていた。

ついに出来上がった!
フィンランド料理、ではなくタイ料理が。

お腹が空きすぎて写真を1枚も撮っていないのでイメージ画像でお許しを。

タイ料理「ラープ・ムー」
※画像はイメージです

豚のひき肉をミントとライムで和えたタイ東北地方のサラダ。この前職場の人と食べて美味しかったのだそう。

そういえば、私もタイでよく食べた料理だった。まさか久しぶりに食べるラープ・ムーをフィンランド人にご馳走してもらうとは!

本当は唐辛子も一緒に混ぜたスパイシーなひき肉サラダなのだけど、今回は子どもたちも食べるので、ノンスパイシーでいただく。

ベトナム料理が好きな我が子たち、ミントやパクチー入りでも「美味しい!」とぱくぱく食べた。

これに残りのライムとたっぷりの摘みたてミントで義妹が作ったレモネードを合わせる。

※画像はイメージです

今回の食卓の主役は間違いなくミントだった。

爽やかなミントがアクセントになって、暑い夏でも食欲が進むこと間違いなし。

なんで今までミントをないがしろにしてきたのだろうか。

世の中にはすごいポテンシャルを秘めているのに、日の目を浴びずに影でひっそりと生きているものたちがきっとたくさんいる。

そんな壮大な話をしたかったわけではない。

ただただ、これからはもうちょっとミントを活用しようと思ったというわたしの平凡な日常の一コマをお見せした。



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