塩対応とはクールに振る舞うことでも、生徒を突き放すことでもない。教師は「いい先生」になるために、生徒や保護者、同僚のお世話係になってしまっている。本来教師を目指した理由は、そこではないはずだ。
「子どもが嫌い、授業が嫌いで教師になった人はいません。教師をやっていると、よく『大変でしょう』と言われるのですが、とくに大変なのは部活の顧問と保護者の対応です。これらの負担を工夫して、もっと生徒と関わる時間をつくれれば、教師本来の仕事を楽しくできます。必要のない仕事を極力減らして、そのための時間をつくるのです。この2つの分量が変われば精神的にも楽になり、余計なエネルギーを使わなくて済むようになります」
教師が追い込まれている外的要因を取り除き、本来の仕事である生徒に向き合う時間をつくるーー。そのためのヒントが「塩対応」にありそうだ。