角川まんが世界の歴史を読んで
上海で行われているロックダウンは、当初本日4/5の3:00に終了予定でしたが、4/5 10:00現在終了の発表がなく継続されています。大方の予想通り延期されるみたいです。中国は今日まで清明節という先祖のお墓参りに行くような連休なので、今日から解放というのは少し変だな、とは思っていました。取りあえず、次の公式発表を待ちたいと思います。(日本ではありえねー!ですね)
今回のロックダウンの間に、角川まんが世界の歴史20巻を読み終わりました。今年になってから読み始めて、少しずつ読んでいたのですがようやく読了。めちゃめちゃおもしろかったので、ちょっと紹介します。少しまじめな話です。笑
何故これを読んでいるのか?なのですが、まず昨年2021年にビジネススキルとリベラルアーツを学び直す機会を頂きました。キャリアカウンセラーの方と「この機会にどんなことを学びたいですか?」なんて面談をさせてもらった時に、いくつかのビジネススキルに合わせて「せっかくアジア〜中国と海外にいるので、その国の歴史や成り立ち、地理的な環境など一度体系的に学んでみたい」と話をしました。少し前に仕事で出会った方が「学び直すなら地理学ですね」と話したのを思い出しての発言でした。
で、その後キャリアカウンセラーの方からおすすめされたのが、今よく聞く「地政学」でした。当時は地政学なんてまったく知らなかったので、去年の春から夏くらいは地政学についてばっかり読んだり見たりしてました。それで「これはやっぱり世界史をしっかりと学び直したいな」と思いAmazonでざっと検索して出会ったのがこの「角川まんが世界の歴史」でした。
このまんが、何が面白いかというと2つあって、ひとつは従来からある「まんが世界の歴史」に比べて、圧倒的にストーリー仕立てで絵がうまい!んです。昔、学校とかにあった歴史まんがってやっぱり絵が古くて、そして字も多いし話として入って来にくかった記憶がありました。今回のこのシリーズは、新しい学習指導要領に合わせて、歴史を「知識」から「思考」に変える試みがされているようで、それもあってかストーリー性が高く読みやすいです。
もうひとつは近現代史に割くページ数です。僕の場合だけかもしれませんが、これまでの歴史の授業と言うと、とかく古代や中世、日本では鎌倉幕府や江戸幕府なんかに時間が多く割かれていた印象があって、たとえば第二次大戦以降を教える時間は少なかったように記憶しています。個人的な解釈ですが、第二次大戦以降の話は、現在の個人(先生)の政治思想や歴史観によって解釈の振れ幅が大きくて教えにくいのかもしれません。最近よく聞いているPodcast「コテンラジオ」でも同じような話をしていたので、僕だけの話ではないかもしれないです。
でもこのシリーズは、全20巻のうち4巻を第二次大戦以降に割いていて、内容がとても充実しています。(第一次大戦付近を含めると8巻!)カバー範囲も広く、トランプ政権や2020年のコロナ発生までカバーしています。直近起こっている、例えばロシアによるウクライナ侵攻や米中対立など、何故そうなっているのか?その歴史的な背景を線として理解することにとても役立ちました。しかもまんがだから、気になるところをさっと開けばすぐに復習できてしまう!
改めて体系的に学び直してみて、自分の無知が痛いほどよくわかりました。知ってるふりして本当に知らないことばかりなんだなぁ、と。そして読み終わってみての学び、というか感じたことはこんなところです。
ひとつは「自分の生きる時代を強烈に認識した」ということ。僕は79年生まれですが、ライフシフトによると79年生まれの人の平均寿命は100歳だそうです。(ライフシフトはライフシフトでおもしろいのでまたどこかの機会で)つまり僕の生きる時代は1979年から2080年くらいなんですね。
世代別平均寿命の考えを、祖父に当てはめると大体1920-2005、父に当てはめると1950-2040、考えたくないけど息子に当てはめると2012-2120みたいになります。祖父の生きた時代、父の生きる時代、僕の生きるであろう時代を、それぞれの歴史に照らすととても感慨深いものがありました。よく「時代に翻弄されたXXが」なんてナレーションを聞きますが、それがグッと身近になった感じでしょうか。
そして、次に自分が生きてきた今までは非常に平和だったんだなぁ、と。特に感受性がとげとげして髪をみどりにしたり家ででかい音でギターを弾いて母親に「うるさーい!!!」と怒られたりしていた1995年頃から足元まで、長い歴史に照らすと(相対的に日本は、ですが)こんなに安定していた時代も珍しいのだなぁ、と。その前、その間にも世界中でもうずーっと戦争/紛争ばっかりなので、「どうしてそうだったのか」を考える機会になりました。
そして足元ではコロナですでに2年間の行動抑制がされていますが、例えば第二次大戦前の世界恐慌は10年以上続いている、とかひとつめと重なりますが、生きている時代を強く認識するようになりました。
そして最後にやっぱり「この後世界はいったいどうなるのだろうか?」ということを考えました。結構深く真剣に。いろいろなところで「先の読めない時代」「答えのない時代」と言われていますが、それでも明確ないくつかのマイルストンは設定されているんだよな、と。
例えば一番直近であれば、中国の習近平は2023年秋に本当に国家主席3期目となるか?その場合、2022−2027も習近平の時代となり、どのような行動が取られるのか?中国がアメリカを経済的に追い抜くのは2027年と予想されていますが、3期目となった場合、その後アメリカはどのように牽制と対抗をしていくのか?中国は2049年国家100周年で世界No1になることを明確な中期目標に掲げているけれど、そこに向けこれからどんなことをしていくのだろうか?
その時僕は何歳で、息子は何歳だろうか?残りの時間は?なんてことをたくさんたくさん。
角川まんが世界の歴史には「過去を振り返って歴史を学べば、今の危機を乗り越え未来を掴むことができる」と書いてありました。本当に歴史っておもしろいんだなぁ、と感じた良い読書でした。
理解を深めるためにまんがと並行してこれも読んでました。まんがを凝縮しているような内容でこちらもすごく面白かったです!