ティトゥスからショパンへ 楽譜に書き込まれた親友の言葉
はじめに~2022年6月、近況です
しばらくnote含むSNS断ちをしていました!
とにかく焦ってました。今までの仕事に加えてイラストの仕事が入って、軌道に乗せるために営業努力をしていたら、絵本や物語を描く時間なんかとれないんじゃないかと。一度描くのに余計な情報を全部切って、集中したかった。
結果、絵本を1冊作りました。スケジュールかっちり立てて実行。できてよかった。発表未定ですけどね。(*´ω`)
しかし気持が落ち着いたので、また『ショパンの手紙』を調べたりしてます。前回までの絵コンテは思い切って全ボツ。新しく作り直そう!!と、プロットから考えなおしてます。
そうこうしてるうちに、ティトゥスとショパンに関する新しい資料を見つけました。他にも探している人がいるかもしれない(?)ので、ここに記録しておきます。
ショパンがティトゥスに献呈した曲
ショパン17歳が音楽学生時代に作った曲があります。モーツァルトの有名な歌曲のメロディが、どんどん展開していく変奏曲。
新人作曲家はまず、有名曲のアレンジ・変奏曲を聴かせ、実力をアピールしたそうです。ショパンもこの曲をきっかけに、ドイツ語圏で作曲家としての力量が認められていきます。
ティトゥスの直筆の存在
今回探してたのはこれ!!!
ティトゥスの直筆!!
手紙のショパンは、ものすごい熱量でしゃべるのですが、ティトゥスからの返信は残っていないのです。どんな内容かも一切不明。彼の性格もざっくりとしかわからない。なのでせめてどんな字を書くのか知りたかった。
資料はオーストリア図書館にあるそうです。しかしこれ、いくらGoogle翻訳さんやDeepLさんに頼っても、日本語だけで調べることは限界……だよね??
検索に使う言葉は何語??
そもそも英語すらロクにわからないわたしが、まともに検索できるわけがない。
しかし、検索するとしたら、原語はなんだろう??
ポーランド人だからポーランド語?
オーストリアだからドイツ語??
それともフランス語?もしかして英語?
夜中にそんなことをやっていたら偶然に、ネットで閲覧できるページにたどり着いたのであります。
※下はGoogleのページ翻訳画面。曲の題名はそのままフランス語。説明はドイツ語でした。
楽譜に書かれたお礼の言葉(画像)
https://digital.onb.ac.at/RepViewer/viewer.faces?doc=DTL_5499823
ティトゥスのサインがよく見えない。
横置きにして、えいっと拡大してみます。
J'accepteavecplaisir T.Wojciechowski
よく見えないぞ!!ショパンの綺麗で大きな字に比べ、字が小さくてちまちましてるぞ。画像も荒いけどね。
「ありがたく頂戴する」と、小さな字
J'accepteavecplaisir
DeepL訳は「喜んでお受けします」 。
『全書簡』の訳は「ありがたく頂戴する」。
意味は同じですが、人柄や関係性が違う。
ふたりの関係は、ショパンがいろいろ相談し、年上のティトゥスがアドバイスする。音楽的なことも、私生活も。
そんなショパンが曲を献呈して、ティトゥスは「ありがたく頂戴する」のです。これはなかなかいい訳だなと思うのですよ!!
ティトゥスの性格はわからないけれど、実はこういう日本語訳に合わせて、自分の中でティトゥスさんのイメージができていってる気がします。
でも今回、思った以上に字が小さかったので、実は繊細な人のような気もする。ショパンと比べ、単純にたくましい男らしい人だと言われがちですが、もっと複雑な…。
実業家・政治家として活躍する反面、なにか大事なことを匿名でしたエピソードも多いので、あまり表に出たがらない人という気もします。いろいろ想像しちゃうのであります。
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