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 中村天風と私 ④

 中村天風のことは、もう書くのやめようかなと思いましたが、思いなおしました。
 天風さんは、色々な人を弟子にもっていました。日露戦争でロシアのバルチック艦隊を破った、東郷平八郎さんや松下電器を創業した、松下幸之助さんや、亡くなってからも色々な人に、影響を与えています。現在は、大谷翔平さんでしょうか。
 天風さんは、戦前、みんな自由にいいたいことを言えない時代に、自分のいいたいことを言っていたように見受けられます。
 天風さんのすごいのは、たとえ大臣であろうと、皇族であろうと、今ある身分をみて、ヘコヘコしなかったところ。
 しかし、自己を悟っているなと思う人には、敬意を払っていました。たとえ、
学生であろうとも。
 戦前、アメリカの飛行機が、撃ち落とされて、飛行士がある村か街に、堕ちたときに、日本人の人たちがそのアメリカ人を袋だたきにしようとした。
 そこに天風さんが偶然、通りかかり、
村人をとめた。その時、村人に言ったのは、
「自分の息子がアメリカの山の中に落ちて、袋だたきにあったら、どういう気持ちになるか」、といいました。
 天風さんは、人種や身分は関係なく、
本当に優しいひとであった。
 戦後、日本のアメリカ占領時代に、
天風さんがGHQに、呼び出されて、
ノコノコ出かけていくと、アメリカ人は、天風さんを下にも置かない扱いで、もてなした。
 天風さんが何だとおもっていると、アメリカの将校に呼ばれて、聞かれた。
「あなたは、アメリカ人を救ったことは、ないですか?」と。天風さんは、ああ、そういうこともありましたな、と答えました。
 その救われたのは、私です。と。
 それから、もののない時代に、料理を振る舞ってくれたり、して感謝されました。
 人の本当の優しさは、人種も性別も身分も超えるものだな、と思いました。
 ロシア、中国、アメリカと、自分の国のことばかり考えている時代に、必要なのは、このように人間としての優しさなのでは、ないでしょうか?

 このような人になりたい私の小話でございました。


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