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【連詩】泡沫夢幻


(風)風花 (笠)笠原メイ

(笠)自分の世界だけで生きるのは楽だ
誰と幸せ比べをする必要もない
でも誰かが僕の言葉に
美しい旋律をつけようとしている

メロンソーダを飲みながら想像する
出会ったことのない人と
笑顔でお喋りしている光景を

私はわるい人がすき
わるい人は寂しさを知っているもの


(風)耳障りの良いメロディー
躍らされた
量産系の言葉は
流星のように消えてゆく

路傍に咲いた詩は
誰に気付かれることもなく
朽ち果てていた

清純を纏ったヴェールの向こう側
本当のわたしを
早く見せたいだけ


(笠)目に見えるものばかり愛していたら
君はいつか死んでしまうだろう
流星の一粒を握って
永遠に火傷を負うのもいい

帰る家もない頼る人もいない
息をしていなくても
構わないのに

約束は破るためにあると
剥いだヴェールの向こうに
悪魔の顔をした天使の息遣い

(風)天使はいつか姿を変え
耳を塞ぎたくなるような聲で詩い始める
君という毒を飲み干し
手に入れた永遠の命と引き換えに
詩い続ける

この世は泡沫夢幻
伝えたい想いはいつも朧げで届かない

闇と光を行き交い
死と再生を繰り返す

誰がために鐘は鳴る


※今回は風花さんとの連詩です。テーマは「世界」「The  world」です。二人で生み出した世界は死と再生を繰り返して、素晴らしい場所に、たどり着いたと思います。

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Mei&Me(原題:僕と笠原メイ)
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