【詩】モリッシーの詩集を抱いて
讃美歌がラウドスピーカーを揺らすけど
愛について知ってることは少ない
17で命を止めてしまった少女の
残した感情が夜明けにボートを漕ぐ
白い手で水面を撫でてゆく
俺の墓は簡単には暴けない
マリアの涙は酸性雨
何もいいことがなかった時代に
花の手錠をかけて、鍵をなくした
夜の高速道路で尻尾をなびかせて
風が奏でるベートーヴェンを聴いてる
鳩が手紙を運んでくると
青い心臓が夜を燃やしてくれる
妖精の拳銃を手入れをしてる
ハートマークもいつかおじいさんになる
名前も思い出せない人達が
美しいかどうか、今では分からない
二度と出会わないという事は
それは一種の死だから
俺のポケットは死で一杯なのさ
太陽は24歳になった日に全てを諦めた
金色のビールを喉に注いで
雪のように「しんしん」と降る言葉たち
恋人の待つ部屋の前で「ハレルヤ」を唱える
彼女の死体は見つからなかった
きっと人魚の国に行ってしまったんだろう
世界一美しいプラネタリウムの中で爆睡したい
有刺鉄線の向こう側で冬が微笑んでる
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