【詩】或いは、ロンググッドバイ
青い車で灰色の海を見に行く
助手席に座っていたのは
前までは君だったのに
今では犬のベンが舌を出してる
半分開けた窓から潮の香り
岬のレストランには誰もいなかった
うつろな瞳のウエイターが
冷めた料理を運んでいるだけで
君に捧げた花束を
波がどこかへ連れ去っていく
悲しいときも、苦しいときも
いつでも笑っていたね
もう帰れない場所へ来たのは
俺だっけ、誰だっけ
なんにせろ世界の半分は消えた
バックミラーに未来を映して
標識を無視してスピードあげる
セピア色のトンネルを抜けて
カーラジオからはスピッツ
懐かしいメロディに心は壊れそう
後遺症みたいなものさ
燃えたレコードで煙草に火をつける
天国の階段はクッキーのように脆くて
俺には登る勇気は出ないよ
ジンライムを飲みながら
砂浜で拾った割れた砂時計に
何かしら愛を感じる
このまま旅に出ようか
宛先のない一通の手紙みたいに
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