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【10】啓発活動、巻き込んだもん勝ちっていう話。

Kaselehlie, 皆様お元気ですか。

私はミクロネシアに来てから
早寝早起き毎日8時間睡眠という
健康ライフを送っておりますが、
先日100年ぶりにオールしました。

日本から来てた学生団体さん達と
秒で仲良くなり、彼らの宿泊先に乗り込み
反省会に出席、夜通し遊び、朝まで爆語り。
ノリと勢いだけで生きてた学生時代を
現役大学生たちが思い出させてくれました。

現役ギャル大生たち

彼らは学生だけでミクロネシアまで
環境問題に関する活動をしに来ていて、、
自分が学生の時は毎日ラクロスばかりで
国際協力なんて考えたこともなかったし
ひゃあ素晴らしい学生がいるもんだあ
と、終始感心しっぱなし。

この時期は彼ら以外にも色々な大学生が
ミクロネシアに渡航に来ていて、
刺激と学びをたくさん頂きました。大感謝。

彼らとは他にも、一緒に山登ったり、
クルージングで海上から夕日見たり、
エモい曲流しながら星空眺めたり、、

まさかミクロネシアで学生たちと
こんな青春チルできると思ってなかったので、
ほんまみんなしか勝たん。て感じです。
一生忘れないんご。最高でやんす。大感謝。

私の配属先で実施した
清掃イベントにも皆来てくれた涙



思い出に浸ってたい所ですが、、
今回の本題に入って参りましょう。


私が環境意識の啓発活動推進役として
環境省に配属され半年が過ぎましたが、
この期間で思ってた以上にちゃんと
啓発活動をすることができました。大感謝。

それらを企画・準備・実行していく上で
「これはどんな案件にも役に立つのでは?」
と思う、ひぐち的な学びがあったので
今回はそれについてまとめてみます。

この記事を読んでくださっている方々の
何かの気づき/ヒントにもなれば、幸です。



その学びを一言でまとめると、
「啓発活動、巻き込んだもん勝ち」
です。

突然ですが、私は
人を巻き込むのが大好きな人間です。

・楽しいことはみんなでやればもっと楽しい
・新しいことへの挑戦もみんなでやれば楽しい
・退屈そうなこともみんなで面白がれば楽しい

というマインドが元来?備わっており、
物心ついた時から何かと人を巻き込んでいました。

放課後、いかにおもろい遊びを皆に提供するか。
文化祭、いかに同期全員でガチで出し物するか。
部室掃除、いかにおもろおかしく掃除するか。etc…


私は自分だけ楽しんだり、得をしたりすることに
何の面白さも感じないので、何かするなら
「周りと一緒に最強におもろいことをしたい」と
ずっとそう思って生きてきました。


そんな私が、
ミクロネシアという異国で、
環境啓発活動という文脈で、
誰を、どう巻き込んでいくのか。


どうぞご覧ください。



まず、今回紹介する環境啓発活動の
企画前段階での構想はこんな感じでした。


【対象者】全幼稚園児 約450人
【目的】幼稚園児にポイ捨てさせない
【方法】全19校の幼稚園で環境教育を実施

幼稚園児を対象者にしたきっかけは、
全幼稚園の統括本部(ECE)にいる職員が
「学校内のポイ捨て問題をどうにかしたい」
と言ってたという情報を耳にしたことです。

ほほう。チャンスは逃さぬ。
ここからひぐちの巻き込み劇が始まる。


①座組、で関係者を巻き込む

私が協力隊の活動で意識してることは
「最強の脇役として徹すること」です。

私が主役になってしまうと
何もかも自分でやることになる。
=おもろくない&現地のためにならない
ので、私は人を巻き込む脇役に徹します。

なので今回の啓発活動を企画する上でも、
いかに座組で関係者を巻き込むか。
を最重視して考えていきました。


【巻き込み対象者1】ECEの職員たち

まずは「ゴミ問題どうにかしたい」と
言っていたという人と話をするため、
ECE(幼稚園統括本部)にアポ訪問。

事前にざっくりした活動イメージと
私サイドでできることをペラ紙にまとめ
センター長や他職員たちも巻き込んで
スマイル多め・熱意高めに会議で共有。

「まだよくわかんないけどとりあえず
良きJICAボランティアが来てくれた」
という好印象を与えつつ、
・ECEの活動の一環で環境教育を実施
・移動手段はECEの車に乗せてもらう
・必要な物資をECE側で準備してもらう
という条件を全OK頂くことに成功。

ボランティアは車も予算もない悲しい身分,,
お金と力を持っている人を巻き込んで
既存リソースを最大限活用させて頂く。


【巻き込み対象者2】才能ある人たち

さて、では幼稚園向けに具体的に
どんな環境教育をしたらいいだろうか。

という内容検討段階で、
・園児向けの絵本を読む
・環境ソングを歌う
という案が出ました。

ただ私は絵本を作る才能はないし
ミクロネシアの歌の知識もないので
「誰かの才能を活用しよう」と思いました。

絵本は、10年前に幼稚園の先生として
派遣されていた隊員に連絡をとりデータ入手。

さすが先生。絵がうますぎる

環境ソングに関しては、昔に現地の人が
オリジナル曲を作っていたとの情報を聞き
その歌手にコンタクトしてみるも、
まさかの不在にて、音源がゲットできず。。

でも、その歌を覚えている人がいるなら、
私が音源を作り直せばよくね?とひらめき、
耳コピでメロディをパソコンに打ち込み
歌える人を呼んでレコーディングを実施し
あとは良い感じに編曲して音源完成♫

お歌もお上手で、完璧でした。
本当にみんな音感が良くて素敵。

右の女性が持ってる消臭スプレーは
左の男性のマイク代わり。笑


私の作詞作曲スキルがこう活きるとは、、
我ながら、でかしたぞ。ナイス。

とまあこんな感じで、
才能ある人たちを巻き込みながら
既存リソースを活用させていただき、
無事にコンテンツの準備が整いました。



さあこれで準備完了!あとは実行だ!




いいえ、まだです。

巻き込み大好き人間ひぐちは、
園児の先生たちも巻き込んでいきます。



【巻き込み対象者3】園児の先生たち

今回の教育対象者は幼稚園児、
つまり5歳のピヨピヨたちです。

そんなひよこたちにとって、
肌の色も違う宇宙人的存在の私に
環境ゴミがどうこう言われても
内容なんて全然頭に入らぬだろう。

てことで、
「先生に授業してもらおう大作戦」
で先生を巻き込むことにしました。


早速、全幼稚園の先生を集め
①ポイ捨て問題の知識インプット
②園児に読む環境絵本の内容
③園児と歌う環境ソングの練習
を実施しました。

①に関しては、
環境局の啓発担当スタッフを巻き込んで
プレゼンをしてもらいました。

私が作ったパワポで完璧なプレゼンをしてくれた彼


そしてその後、
私から先生たちに授業の説明をし、
みんなで環境ソングを練習して終了。


やっぱりお歌が上手なこと。さすが先生。


先生を巻き込んだ他の意図としては、

・先生たちへの意識啓発にもなる
・先生が園児に教えることで責任感増す
・学んだことを教えることで学びが深まる

学校の環境整備において、
まずは生徒のお手本であるべき先生が
環境問題を理解して、正しい行動をする。
子供がポイ捨てしたら、先生が注意する。


今回の啓発活動をきっかけに、
先生の意識も変えていきたい。


これでやっと準備完了。

さあ、いよいよ学校巡回が始まる!


②感情、で親子供を巻き込む


ミクロネシアの幼稚園児って
どんな感じなんだろ・・という
ワクワクいっぱいに巡回スタート。

こどもたちは、、
想像の500倍げんきいっぱいだった。

隙あれば突進してくるひよこたち


私は日本で幼稚園児と触れ合う機会は
ほぼ皆無に等しかったのですが、
こどもってこんなにかわいいんだ。。
と母性本能がくすぐられました。

【巻き込み対象者4】園児の親たち

もちらん園児の親御さんたちにも、
学校に来てもらうよう事前告知。

どちらかというと親御さんこそが
メインターゲットでもある。
いくら学校で環境教育をしても
家庭内で親がポイ捨てするのであれば
こどもの意識は変わらない。

だからこそこの環境啓発活動に
親を巻き込むのは私的必須ポイントでした。

アレンジ加えて読み聞かせする先生

コンテンツ自体は幼稚園児向けですが、
大人に向けたメッセージでもあります。

「なんで海ガメさんは死んじゃったのかな?」
「そのゴミはどこからやってきたのかな?」
「誰がそのゴミを捨てたのかな?」

ポイ捨てしたことある大人としては
ギクっとする恥ずかしさを感じるような。
そういう感情に語りかける内容で
授業の内容を進めていくことで、
子供も大人も巻き込んでいきます。


先生が絵本を読み聞かせたあとは、
私が親子の前でポイ捨て劇を見せながら
学校・家庭内で何ができるかを説明。

実際に子供たちに動いてもらいながら
ちゃんとゴミ箱にゴミを捨てれた子を
超ハイテンションで褒めてあげると
他の興味なさそうだった子供たちも
「ぼくたちも褒められたい!!!」と
躍起になってゴミを取り合い始めます。



子供って本当に素直で純粋。
この素直さが良い方向に活きて欲しいな。



環境ソングを歌う時間も、
恥ずかしそうにしてる親たちを
Hey~~~~!! Come on, come on ~~!!
とハイテンションで巻き込み、
生徒、先生、親、みーんなで歌う。



そして最後に
みんなで外に出てゴミ拾い。

「さあー、誰が一番拾えるかなー?」
「一番拾えた子が地球を救うぞー!」
などという一言だけでこどもたちの
やる気は100倍。どこまでも拾う拾う。

ゴミ持ってきたらハイタッチしてあげる


とこんな感じの活動を
全19校で無双して参りました。


本当に濃い時間だった。
こどもたちおもろすぎた。
楽しすぎて最高でした。以上。





いいえ、まだです。

時間をかけて企画した活動、
やって終わりじゃもったいない。

今回の啓発活動に直接関係がない
外部者たちも、巻き込んでいきます。

③共有、で外部者を巻きこむ

外部者をどう巻き込むか。
それは「共有」の力です。

【巻き込み対象者5】各州の環境局の職員

先日、他の州に初出張に行きました。
出張の主な目的は下記。
・環境意識に関する住民調査の実施
・環境局と今後の啓発活動について会議

この会議の中でも、
幼稚園を対象として実施した啓発活動の
狙い、全体像、コンテンツなどを共有し
この州に合う形で実施展開できないか
ディスカッションをしました。

「なるほどそういう巻き込み方があるのね」
という反応を啓発スタッフからもらえて、

私の役割はあくまでも脇役であるため
こういう形で他州の啓発担当者のために
情報共有をして巻き込んでいきたいものです。

【巻き込み対象者6】一般人

そして最後の巻き込み対象は、一般人。
途上国ミクロネシアでも高校生以降は
ほとんどスマホを持ってSNSを使っています。

みんなSNSを見るのだから、
そのSNS上で共有しない手はない。

全幼稚園で撮った環境ソングの動画を
1本の啓発ビデオとして繋ぎ合わせ、
Fecabookに投稿共有しました。

♻️Environmental Song Awareness Video♻️ I created an awareness video about environmental education at 19 ECE centers in...

Posted by Saho Higuchi on Thursday, September 26, 2024


冷静にこどもたちかわいすぎてギャン。



お世話になった人たちにこの動画を
共有しにいったら、みんな各所に
この動画を広げて投稿してくれました。

さらに、各学校の先生たちが
いつでも絵本を読み聞かせできるように
絵本の製本をしたいと打診したところ
教育省の予算で作ってもらえることになり
全校に絵本をお渡しすることができました。


本当に素敵な仲間たちと仕事ができた。
それが何より、最高に幸せです。


④結局、どうやって巻き込むん?


今回も本当にたっっっっくさんの人を
巻き込みまくり、その協力のおかげで
広範囲に展開できる活動を実施できました。

ただのボランティアである私一人では、
これだけの活動は絶対できなかった。

巻き込ませて頂いた方々に、大感謝。


今回の活動を経て、
やっぱり、巻き込んだもん勝ちだ。
という自身の考えに自信がつきました。


とはいえ、
どうやったらそんなに巻き込めるん?
と思う方もいるかもしれません。


そこで最後に1つ、
いろんな人を巻き込むためにも
私が何より大切にしている信念を
お伝えして終わりにしようと思います。



その信念は、
「その場の誰よりも自分が最強に楽しむこと」
です。


私にとってこの「楽しむ力」は
人生レベルにおいて最強な力です。

今回、各所でいろいろな人に
何かをお願いしたり提案する場面でも、
それが実現できた場合の未来を
とにかく私が楽しそうに話すこと

を常に意識していました。

子供達や親御さんの前で
実際の環境教育をする際にももちろん、
誰よりも楽しそうに登場して
誰よりも楽しそうに歌を歌って
誰よりも楽しそうにゴミを拾う。

これを徹底し続けました。



言語が違っても、
文化が違っても、
人種が違っても、
相手がどこの誰であろうと、
私が目の前のことを楽しんでいる姿は
必ず相手に伝わる
し、私から溢れ出る
「楽しそうな感じ」は相手にも伝染します。

最初は固そうな雰囲気でも、
だんだんみんなが笑顔になって、
楽しそうになっていく姿が見ててわかります。


「正直楽しくない」と思うことでも、
楽しんでやってみようと思ってやってれば
自然に楽しくなってくるもんです。



話す内容、話すスキルどうこう以前に、
「自分がやっていることを最強に楽しむこと」
これが私の根元にあるマインドで、
周りの人を心地よく巻き込む上でも
とても大切だと思うひぐち的信念です。



皆さんも、
いつもよりちょっぴりだけでも
楽しそうに家族や友人と会話してみたり、
楽しそうに同僚と仕事をしてみたり、
楽しそうに退屈なことをやってみたり、
そんな風に過ごしてみてはいかがでしょうか。



もしかしたら皆さん自身が、
そして周りの人が皆さんのおかげで、
ちょっぴり楽しくなるかもしれません。



もしそうなったのならば、
ひぐち冥利に尽きます。


ではまた。



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