女房と畳は新しい方が良い
畳替えをして綺麗になった畳。今まで使っていた畳表を見てお客様は言う。
「汚い。触りたくない」
ほんの数分前まで、お客様が使っていた畳だ。さっきまで普通に素足で歩いていたし、きっと仰向けになって寛いだこともあるだろう。
綺麗な畳に畳替えした途端、触りたくないほど軽蔑するのは、一体なぜなのだろうか。
話は変わるが先日、スマホを新しくした。買ったばかりの新品のスマホを箱から取り出すと、当たり前だが指紋はおろか微小の埃さえも付着していない綺麗な状態だった。
すると不思議なことが起きる。さっきまで使っていた画面バキバキの私のスマホが急に汚らしく見えたのだ。
触りたくない。もういらない。
私は畳替えをしたお客様と同じ気持ちになった。
封建時代の諺に、こんな言葉がある。「女房と畳は新しい方が良い(※意味:新しい方が気持ちがいい)」
私たち人間は新しい物に変わると、前のものが汚く見える。そして価値を失ったと考え、脳が勝手に拒絶反応を示す。ひどい話だ。
なんにせよ、畳とスマホは新しい方が良いが、女房は大切にした方が良いと思います。
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