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東洋医学講座 203

〇心と喜

喜は心臓系の生理作用が発する心理作用であります。ここでは五臓系から発する心理作用と比較しながら説明します。

▽五志の五行分類

・怒ー肝=肝力が充実したり、虚弱になって亢進したりすると、怒りを発する。
・喜ー心=喜悦は心臓系の働きが強く、亢進した結果の心理作用である。
・思慮ー脾=思慮や憂慮は、血液を多量に必要とし、脾力を非常に消費する。思慮が過ぎれば、体中の働きを止めようとする働きが加わって、血液循環を鈍らせ、消化力や蠕動運動が落ち、脾化作用を妨げる。
・悲ー肺=悲しみは収斂、収斂作用は肺系の働き。悲しみが過ぎると、体気が渋滞して肺気を傷める。
・恐驚ー腎=腎の働きは、身固めをする凝結作用。恐驚は緊張凝結した生理作用で、腎の亢進した心理作用である。恐驚が過ぎると、体液の流れを停滞させ、ホルモンバランスを崩して、腎気を濁らす。

喜悦・喜笑の作用は、心より根を発し、胃・食道を幹枝として、外表の舌口に開いているように思われます。

木が木気として過動したのが怒りで、木気が順化し化火したのが喜びであります。

春は木の旺実したもので、怒りは木の亢進したものであります。

夏は春の化したもの、火は木の化したもの、喜は感激の化したもので、心の亢進したものであります。

喜びは肝動が源であり、心動が表現でありますが、心動は一定速度で心拍動しているため、喜悦のような不定的な一過性の動きに妨げられやすい。また、喜悦は体中の血液に急動を起こすので、一過性の発熱となって、働きを弱めている心臓循環を助けますが、過ぎると心動を狂わせ、心を傷つけます。

喜笑は心臓の変動であります。

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