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東洋医学講座 307

脾と噦

噦(えつ)はしゃっくりのことで、脾に変動、または病変が起こると、横隔膜が痙攣が生じ、しゃっくりとなります。

重症者のしゃっくりは、死相であります。

横隔膜の働きとしゃっくり

噦とはしゃっくりのことで、脾に深い関係があります。しゃっくりは、横隔膜の異常痙攣によって起こります。横隔膜は、体幹の中にあり、体の上下に仕切っているものであります。この横隔膜の運動によって、呼吸・循環・消化器官の蠕動運動などが容易に行われます。また、肺臓運動・心臓運動・胃腸運動が、この横隔膜運動を助けています。いわば、横隔膜は中心的存在として総合的な働きを受け持っていて、脾臓のコントロール分野におかれてます。

横隔膜の異常痙攣がしゃっくりでありますが、その痙攣は病的亢進状態であります。ものを急いで食べたときなどの、食道につっかえて一過性のしゃっくりが出ますが、これはつっかえたものを流せばいいわけでありますので問題はありません。しかし、横隔膜付近にある心・肺運動や胃腸などに異変が起こって横隔膜の引きつり現象が生じ、しゃっくりが出ている場合は問題となります。とくに、重症患者でしゃっくりのある人は要注意であります。

しゃっくりをとめる方法は、一過性のしゃっくりの場合は、頚椎の3・4番が亜脱臼的状態を起こしている場合が多いので、それを矯正します。簡単な方法として、湯のみ茶碗のお湯を、手前から飲まずに奥の側から飲むようにします。そうしますと、ちょうど頚椎の3・4番に刺激を加わるような姿勢になり矯正されます。水でもいいのですが、冷やすことで横隔膜の痙攣を助長させることにもなるので、温かい湯を用いるほうが効果的です。鍼治療は、膈兪というツボを使うといいでしょう。それでも止まらない場合は、一応内臓の異変を疑ったほうがいいでしょう。

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