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東洋医学講座 271
〇脾と胃
脾と胃は倉廩(米倉・飲食を司る)の官に属し、五味を化生し、各組織に配分します。
胃は五味化生を主に行い、脾はこれを配分して五臓の気を養うといわれています。
『黄帝内経』では、六腑を倉廩の本(もと)としています。
(消化器)
木・・・胆
火・・・小腸
土・・・胃
金・・・大腸
水・・・膀胱
六腑倉廩の本は、五味を化生するための役割を果たしています。これらの六腑の胃気、陽気をはじめとした精気が脾の力によって各機能に配分されていきます。
したがって、脾は中央に位し、四方を栄々します。
(四肢)
脾・胃・・・四肢
胃は水穀(栄養)の海といわれ、水が海に集まるように胃に集められます。胃は水穀を受納・化生し、五臓の気を培養する源となっています。
五臓六腑は「みな気(五気)を胃に廩(う)けている」と『黄帝内経霊枢』五味編にあります。
「先天の本を人とし、後天の本を脾とし、脾は人体の母であり、ゆえに一敗すれば、いかに治療しても困難である」といわれています。先天の培養は後天によってなされることが分かります。すなわち、食生活がその患者に相生となっていなければ治療しても治りにくいのであります。
また、古人は「万病の素因は胃腸にあり、万病治療の基本も胃腸を整えることにある」ともいっています。
胃気の別名は、清気・営気・元気・谷気・春昇の気とあるように、様々な力を発揮しています。
飲食が胃に入ることは、鍋で物を焙熟するようなもので、下焦の相火の火を持って煮炊きして、脾によって運化されます。
なお、脾・胃の物の入った鍋で、相火を腎力とすれば、補脾よりも補腎が先行であることが分かります。