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東洋医学講座 350

辛味と四季の関係

辛味はいつでも食べていいわけではありません。春は辛味を控えたほうが良い季節です。なぜならば、春は肝の働きが活発になる時期であり、辛味を摂ると金剋木の関係で肝の働きを抑え、木の開大・伸長の働きが妨げられ、体のバランスが崩れてしまうからです。もし春に辛味を摂るならば、夕方に少しだけにします。

春は細胞増加の時期であり、この時期に辛味を摂ると体が収斂して筋肉が引きつることがあります。春に筋肉病が下半身に多く生じるのは、肝の多くが下半身に働くためです。その影響で病が上半身に移行した場合、それは肺や心が先天的に弱いからです。通常の体力を持つ人なら、病は下半身に発生するのが普通です。

夏も辛味を控えた方が無難ですが、春ほどは気にしなくても良いです。夏に辛味を摂るならば土用の時期が適しています。

寒冷地の人々は体を温めるためにカレーをよく食べます。同様に、熱帯地方の人々もカレーを食べます。暑い国の人々は、体が弛緩しているために辛味を摂って引き締めます。ただし、朝や昼間に辛味を摂ると体が収斂して毛穴が閉まり、日中に熱がこもりやすくなるので注意が必要です。

秋は辛味が最も必要とされる季節です。しかし冬に辛味を摂り過ぎると体が過度に収斂し、内燃力が落ちるため良くありません。また、大腸や肺が弱い人が辛味を摂り過ぎると痔になり、腎が弱い人が摂り過ぎると腎系統の病気になります。さらに肝が弱い人は肩こりや筋、腱の引きつりを起こすことがあります。

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