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東洋医学講座 306

脾系統の生成

中央は湿を生ず
湿は土を生ず
土は甘を生ず
脾は肉を生ず
肉は肺を生ず
脾は口をつかさどり
脾は味をつかさどり
脾は黄色を生ず
脾は涎(よだれ)を生ず
脾は香気を生ず

経絡においては、足の太陰脾経となり、胃に合し、胃は腑にして陽表をつかさどり、足の陽明経としてめぐる。脾は臓にして、陰裏をつかさどる。

脾系統の成り立ちと働き

湿は、水気と土気から生じます。水は親和性を持ち、吸引力があり、土の濾過的浸透力によって湿を生じます。中央は湿を生ずというのは、地面に水を撒いた場合に、まわりから水が引いていき、最後に中央に残ることや、洗濯物もまわりが乾きやすく、真ん中にいくほど乾きが遅いことなどでも分かるかと思います。

湿は土を生ずとは、湿気があることによって、土の働きが生かされてくるということです。つまり、水気は土の養育をしようとする力を助けます。土が消化器であれば、水気は消化液という関係です。

甘は脾を生ずとは、甘味は糖質の代名詞なので、甘味をつかさどる穀物を食べて脾体をつくり、脾力を生じるということであります。甘いものを食べると太るというのは、肌肉になることを意味しています。

脾は肉を生ずとは、脾力は形として成す働きなので、肌肉を生じます。生きようとする肌肉は呼吸します。したがって、肉は肺を生ず、ということになります。

口は消化器なので、脾門は口がつかさどっています。味とは五味の素で食物をいい、脾が食物の消化・吸収の中心的役割を担っています。

脾は黄色を生ずるというのは、大地は黄色味を帯びていて、その土気を吸収して育つ穀物は基礎色が黄味を呈しています。その脾に変化が起これば、黄濃色となって現れます。脾が健全であれば淡黄色を示します。

脾が涎を生ずるのは、消化と唾液が切り離せない関係にあるからです。また、脾が香ばしい臭気を生ずとありますが、香ばしさは火でものを炒ったときの香りをいい、火は土と同じ働きをもっているから理解できるかと思います。

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