見出し画像

東洋医学講座 60

〇社会における五気の働き

◇土気系統

「土」は大地の働きに象徴され、その働きは他の四気を受けて統一体を形成し、その統一体を盛衰変化させ、ついには消滅させる働きをしています。また、この過程の中で、絶えず五系統組織を平衡統括しています。

土は実に多面的な働きをしています。九星気学では、この土の多面的な働きを、二黒土気、五黄土気、八白土気として三つに分けています。二黒土気は、土の働きの中の生成母胎の働きと中和作用を、五黄土気は統括作用と殺滅収納作用を、八白土気は停止と進行の変化継続作用を主に担当しています。

五行で土というときは、この三つの働きを全部包含していますが、土が中心になってつくられているものは、この三つの働きのうちどれかが主になっています。

例えば、二黒土気に属するものは生成育成の働きを持ちますし、五黄土気に属するものは殺滅作用を主に持つというように、同じ土気からなるものでも一見相反するように感じられます。土の場合、この点に注意する必要があります。

●自然現象 ー 万物を変化させる作用、物は古くなる、人は老化する、植物は枯衰する、動物は衣替えする。天候にあっては、台風、地震、洪水、冷害などの天変地異、季節の変わり目、曇天
●作用 ー 変化させる、腐食する、土化する、ころす、錆びる、濁る、くさくなる、停止する、改革する、整理する、移る、取り次ぐ、内在させる、胎養する、養育する、致役する、守る、化生する、補佐する、消化する、吸収する、営む
●象意 ー 中央、大地、破壊、変質、戦争、腐敗、天変地異、騒乱、暴力、悪化、中毒、全滅、悪人、軍師、暴欲、山、つぎ目、節、改革、交代、停止、強欲、再起、復活、蓄積、家屋、交換、致役、柔順、厚情、虚心、育成、謙譲、丁寧、卑賤、大衆、臆病、疑惑、吝嗇、営み、静止
●物象 ー 古道具、さびたもの、腐敗物、家屋、古着、もん、連結してあるもの、階段、エレベーター、机、椅子、塀、ベット、クレーン、器類、袋類、衣類、敷物類、畳、座布団、箱類、車庫、倉庫、土器、石炭、土砂
●場所 ー 野原、平原、空地、田畑、墓地、集団住宅、田舎、農村、車庫、土蔵、戦場跡、便所、災害現場、火葬場、屠殺所、汚物処理所、停車場、交差点、山、丘、アパート、駅、橋、トンネル、階段、出入口、休憩所、旅館、銀行、中継所
●職業 ー 農業、畜産業、不動産業、衣服商、産婦人科、薬剤師、古物商、土建業、陶磁器業、スクラップ業、葬儀屋、旅館業、アパート経営、貸ビル業、外交員、銀行員、仲介業、家具業
●人象 ー 母、妻、老婦、農夫、労働者、衆人、凡人、小人、温和な人、やさしい人、母性的な人、副社長、助役、大黒様、地蔵様、支配者、統率者、首領、帝王、首相、悪漢、反社会的勢力、テロリスト、死人、変死者、相続人、強欲の人、養子、ブローカー、女主人
●性格 ー 二黒土気の長所をもつ人は、地味で真面目、素直で親切なところあり、こまめにコツコツとよく働き、努力家である。短所をもつ人は、金に細かくケチで、迷いが多く、決断力に欠ける。人の上に立つ覇気はない。自己中心的で欲深く、奉仕心に欠ける。五黄土気の長所をもつ人は、堅忍不抜で辛抱強く、危機の非常時などにはよく統率力を発揮する。その心情は、意外に温和なところがあり、大器たる素質がある。短所をもつ人は、粗野粗暴で、人に服従することができずに、ワンマンになる。八白土気の長所をもつ人は、こせこせせず、落ち着いたところがあり、家や会社の改善、整理、相続、貯蓄がうまい。短所をもつ人は、横柄で、他人を見下すところがあり、人に頭を下げられず、自己主張が強く、強欲である。
●四気 ー 土用(とくに、夏の土用)
●温度 ー むし暑い
●一日 ー 午後土用時
●方位 ー 中央(四隅に十八度ずつあり)
●大気質 ー 湿気
●星 ー 土星
●十干 ー 戊、己
●十二支 ー 丑、辰、未、戌
●易卦 ー 坤、艮
●生成数 ー 五、十
●五臓 ー 脾
●五腑 ー 胃
●五主 ー 肌肉
●五官 ー 口
●五華 ー 唇
●五液 ー 涎(よだれ)
●五志 ー 思慮
●五脈 ー 緩脈
●五音 ー 宮音、喉音(ア・ワ・ヤ行)
●五声 ー 歌
●五色 ー 黄
●五味 ー 苦味
●五香 ー 香(こうばしい)
●五穀 ー 稲
●五菜 ー 葵(あおい)
●五果 ー 棗(なつめ)
●五畜 ー 牛
●五神 ー 意
●五徳 ー 信
●五変 ー 噦(しゃっくり)
●五役 ー 味
●人体部位 ー 消化器系統、肌肉、腹、脾臓、関節、鼻、肩、手指、背中、腰、男性器
●病症 ー 消化器疾患、関節痛、腰痛、リウマチ、倦怠、赤痢などの伝染病、食欲不振、下痢、腫物

いいなと思ったら応援しよう!