東洋医学講座 348
肺と辛味
なぜ病気になるのか?
病気とは、体の五臓のバランスが崩れて水平を保てなくなることを言います。少し無理をしたり、不摂生をすると、すぐにそのバランスが崩れてしまいます。
最上健康体を各臓が100の力を持つ状態とすると、50の力では立つのが苦痛になり、0になると死んでしまいます。これは体力のことです。しかし、各臓の力が全て50以下でも、30・30・30・30のようにバランスがとれていれば病気ではありません。ランクが下がっていても、それなりに健康を保てます。
健康だった人がある日突然急死するのは、五臓全ての力が急に下がったわけではなく、一臓が急に弱るか負担がかかり、それが急激に消耗されて0に近くなるためです。そして、各臓のアンバランスが亢じて死に至るのです。
辛味を多く摂ると「筋急して爪枯れる」と言います。これは、筋肉が引きつり、爪が枯れることを意味します。爪は肝の葉ですので、辛味に一番弱いのは金剋木であり、肝の木気であることがわかります。しかし、力が同等であれば、夫婦拮抗で協力し合います。要するに、力の差がすぐに影響するため、平衡性・中庸性を保つことが重要なのです。