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東洋医学講座 55

〇五行の働き③

◇水気の働き

金気よりもさらに冷却して、凍結してしまう働きを持っているのが、水気です。季節では冬、一日では夜の働きです。

この冷却凍結の働きを自然界で一番よく代表しているのが水です。水は冷たいのが身上で、温めると酸素を発し、水本来の生命をなくして死水になります。また氷は水の変化したものです。

水や氷のように、陰気が中心になってつくられているものは、冬や夜などのような水気が旺盛なときに最も働きます。反対に蛋白澱粉体のような陽体は凝結させられて死滅しますが、他方で固められれば固められるほど内圧は高まって内燃力を生じ、種子の中でのように次の新しい生成の準備することにもなります。

水気には、陰遁の成熟、陽遁の消滅と内在・生成の働きがあります。

◇土気の働き

土気の働きは、一般的にいうと〝場〟の働きなのですが、それをよく理解するには、大地の働きを理解することが大切です。

大地は地上の全てのものにとって共通した基礎的な場です。土という符号もこの大地の働きからとっています。

地上のものは天の気と地の気とが交流してできています。そして天気には、半開作用の暖気、全開作用の暑気、半閉作用の涼気、全閉作用の寒気の四つの働きがあり、それぞれに木気、火気、金気、水気と符号つけました。

この天気の下降に刺激されて地気が上昇し、両気交合して人気が生じます。なので、この土というものが全部の天気と結合していることが分かります。地上で働く木気は、天の木気と地気がが結合したものです。草木の芽も大地があるからこそ出てこれます。雨や霧も大地から昇る水蒸気と天の冷気が結合して生じるのであり、われわれ人間も大地があるからこそ生存できます。全部そのような仕組みになっています。すなわち、万物はすべて土を基礎とした場をもつ存在であるということです。

男女の関係でも同じです。男と女ではどちらが中心になっているかというと女性です。これは自然のしくみなので仕方がありません。男性中心だと思えますが、それは陽のほうが表面的な働きが活発なためで、よく考えてみると女性が中心に働いているのです。女性のために働き、女性のために生きるというようなものです。

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