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東洋医学講座 237
〇心と熱
▽〝君火〟としての心臓の働き
▼〝君火〟と〝相火〟の関係
自然の理に基づき、それを地上に置き換えていきますと、先人は人体における心臓を〝君火〟としていました。君火に対しては〝相火〟があります。君火と相火がどのようの違うかといいますと、君火とは、地上でいえば太陽熱であります。地上の万物は、太陽熱によって保全され、よりよく生育できるようになっています。この太陽熱は、直接の太陽光線だけではありません。夜間においても太陽熱を間接的に受けて、地球は一定温度を保っています。この保温状況にある一定温度・恒温を、君火といいます。
相火とは、その恒温の中における一過性の火熱です。たき火やストーブの火などの人工的な火熱をいいます。人体においては心臓を中心とした熱源が、人体全体を36.5℃という恒温で熱保全をしています。この恒温が君火であり、この恒温の中で、食事や運動、カーッと興奮するなど、人為的に一過性に発熱するのが相火です。このように相火は、君火という恒温があるからこそ発するのであります。
われわれはマッチを擦って火をつけると、自分の力で点火したと思っていますが、大きく考えてみますとそうではありません。宇宙に燃える材料があって、それを発火しただけなのであります。つまり、自然の力で燃えているわけであります。
以上のことからも、相火とは君火の中の一つの働きであることが分かります。このような考え方で、心は人体の中で太陽のような働きをしているとみるのであります。