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東洋医学講座 303

脾と五・十

脾は土性に属し、土性的働きをしています。数の土性は五・十であります。

1 2 3 4 5 ・・・生数
腎 心 肝 肺 脾
6 7 8 9 10 ・・・成数

天一水を、地二火を、天三木を、地四金を、天五土を生じ、地六水を、天七火を、地八木を、天九金を、地十土を成す、と古人は説いています。

五・十は生数・成数の熟成数

古典によれば、「天一水を生ず」とあり、自然界、つまり、地球上では、はじめに水が生じたといっています。人体では、天地なる父母が腎精体を生じるので、人の出発は腎水であるということが分かります。

次に、「地二火を生ず」とあって、これは太陽が生じたことを意味します。生物は躍動することにより、生長するので、腎精体に動きを生じさせる働きである火が二番目にくることが必要な訳であります。人体では、この生命活動が盛んに行われ、心臓の働き、つまり鼓動が生じます。

さらに「天三木を生ず」とあり、人体においては肝が生じるといっています。肝というのは、神経系統を指していっています。

また、「地四金を生ず」では肺を生じ、肺呼吸が行われます。

「天五土を生ずる」のところでは、最後に生ずるのは脾であるといっています。形あるものがつくられるのが五番目、つまり最後になります。形になったものは脾体であり、形の原形、精子・卵子から成る水子は腎体であります。

天理に従って説明すると以上のようになります。

このように、数というのは宇宙の働きを示す符号でもあり、あらゆるものの符号である、また数の成数は自然界の生数を示す心理符号であるともいえます。

五・十という数字は、生数・成数の熟成数であって、最後の締めくくりの数です。脾の働きは、腎精体を脾体として熟成させる働きなので、脾と五・十が相関性を持っていることが分かります。

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