東洋医学講座 61
〇社会における五気の働き
◇金気系統
「金」は、長夏のうだるような暑さから朝夕の涼気が立ち、徐々に加冷して、地上の生物を凝固枯衰していく秋の働きに代表されます。
この凝固収斂作用が中心となってつくられるもの、したがってまた、凝固収斂の性格を例に挙げると下記になります。
●自然現象 ー 純天の気、窒素性の原質大気、冷却の気、青空、秋晴れ
●作用 ー 確立する、核が成る、元をつくる、成熟する、果を成す、老成する、固まる、外を凝集させて内を守る、内在させる、収蔵させる
●象意 ー 厳格、正確、勤勉、堅実、円満、健全、剛健、乾燥、統率、敬神、天、完全、完成、動いて止まぬ、援助
●物象 ー 宝石、貴金属、機械類、車、機関車、果実、穀物、干物、時計
●場所 ー 神社、仏閣、教会、官庁、学校、運動場、高層ビル、宮殿、大都会、首都、高級地
●職業 ー 政治家、官使、自衛官、教育家、運転手、スポーツ選手、ガイド、機械技師、貴金属商、時計商、看護師、医師、宗教関係
●人象 ー 父、首相、統率者、武道家、社長、資本家、紳士、老成された人、夫、軍人、神官、僧侶
●性格 ー 長所をもつ人は、正確で勤勉、堅実なところがあり、統率力に富み、親分的で奉仕的。聡明で冷静で、活動家である。短所をもつ人は、気位が高く、無愛想で、お世辞が嫌い。目上に逆らい、人の言に従うことを嫌い、自分の意見を押し通す。
●四気 ー 秋
●温度 ー 涼しい(下降温=関東地方平均温度十六度)
●一日 ー 夕
●方位 ー 西
●大気質 ー 窒素性大気、燥気
●星 ー 金星
●十干 ー 庚、辛
●十二支 ー 申、酉
●易卦 ー 乾、兌
●生成数 ー 四、九
●五臓 ー 肺
●五腑 ー 大腸
●五主 ー 皮膚
●五官 ー 鼻
●五華 ー 皮毛
●五液 ー 涕(はなしる)
●五志 ー 悲
●五脈 ー 浮脈
●五音 ー 商音、歯音(サ・ザ行)
●五声 ー 哭(なげく)
●五色 ー 白
●五味 ー 辛味
●五香 ー 腥(なまぐさし)
●五穀 ー 粟(あわ)・黍(きび)
●五菜 ー 葱(ねぎ)
●五果 ー 桃
●五畜 ー 馬
●五神 ー 魄
●五徳 ー 義
●五変 ー 欬
●五役 ー 声
●人体部位 ー 頭、肺、大腸、脊髄、脳、自律神経、坐骨神経、体表
●病症 ー 頭痛、脳溢血、脳軟化、貧血、肺疾、気管支、便秘、発育不良、皮膚病
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