インフィニットスクロール。元の位置に戻らなくてイライラ限界
途切れなくコンテンツが表示されるインフィニットスクロール。多くのアプリで活用されるUXの王道です。しかし、ある課題に気づいた方も多いはず。
例えばECサイトで商品を探していて、詳細画面から戻ると元の位置に戻らない経験はありませんか? これが多発すると、多くのユーザーは探すのを諦めてしまいます。
実は、元の位置に戻すことは技術的に可能です。実現しているアプリがたくさんあるのが何よりの根拠です。
アプリやサイト開発者の方々へ。この問題を放置すると、どれだけ魅力的な商品やコンテンツを並べていても、ユーザーは離れていきます。早急な対策をおすすめします。
役割
インフィニットスクロールは、現代のデジタルインターフェースにおける「ユーザー体験」の要として君臨しています。スクロールするだけで次々とコンテンツが表示される、まるでマジックのような体験を提供します。
この機能は、ニールセンのユーザビリティ10原則の「柔軟性と効率性(Flexibility and Efficiency of Use)」に合致します。熟練ユーザーにとっては高速で効率的なブラウジングを可能にし、初心者にとっても直感的な操作を提供するのです。
課題
しかし、この魔法のような機能にも落とし穴があります。特にECサイトなどで顕著なのが、商品詳細画面から「戻る」操作をした際に、元のスクロール位置に戻らないという問題です。
これは「連続性の原則(Principle of Continuity)」を破っています。ユーザーの心的モデルでは、「戻る」は文字通り「元の場所に戻る」ことを意味するのに、実際の挙動がそれに反するのです。
リスク
この問題を放置することのリスクは決して小さくありません。ユーザーにとっては、まるで砂漠でオアシスを探しているような苛立ちを感じさせかねません。
心理学的には、これは「認知的不協和(Cognitive Dissonance)」を引き起こす可能性があります。ユーザーの期待と実際の挙動の不一致が、ストレスや不満足感を生み出すのです。
さらに、「フラストレーション耐性閾値(Frustration-Tolerance Threshold)」を超えたユーザーは、サイトやアプリの利用を諦めてしまう可能性が高くなります。これは直接的な顧客離れや売上減少につながりかねません。
解決案
幸いなことに、この問題には技術的な解決策が存在します。多くのアプリやウェブサイトですでに実装されているのがその証拠です。
解決策の核心は「スクロール位置の保存と復元」です。これは「状態の保持と復元(State Preservation and Restoration)」という概念に基づいています。
実装方法としては以下が考えられます。
セッションストレージの活用
ブラウザのHistory APIの利用
仮想スクロールの実装
これらの方法を用いることで、ユーザーの「メンタルモデル(Mental Model)」に合致した挙動を実現できます。
まとめ
インフィニットスクロールは、使い方次第で素晴らしいユーザー体験を提供できる機能です。しかし、その実装には細心の注意が必要です。
適切に実装されたインフィニットスクロールは、まるでスムーズに動く自動ドアのよう。ユーザーは気づかないうちに、快適な体験の中にいるのです。逆に、不適切な実装は、行ったり来たりを繰り返す回転ドアのような苛立ちを生み出してしまいます。
開発者の皆さん、ユーザーを迷宮に迷い込ませないよう、適切なインフィニットスクロールの実装を心がけましょう。それがより良いユーザー体験、そして最終的にはビジネスの成功につながるのです。
お問い合わせはこちらから(ヒアリングからお見積りまで無料です)。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?