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通知バッジ。お知らせがないのに気を引くニセ通知
ユーザーにお知らせがあることを知らせるバッジ。アイコンの右上に赤い丸で表示されることが多いものです。
通知がある、ということだけを丸ドットで示すパターンもあれば、通知の件数を楕円で囲って示すパターンもあります。
後者において、通知が1件もないときに「0」と表示されるアプリがありますが、やめたほうがいいですよ。なぜなら、通知がないならユーザーの気を引く必要がないからです。
実生活で特に用もないのに人に声をかけるようなことは普通はしませんよね。そういうことです。
役割
通知バッジは、アプリやウェブサイトのユーザーインターフェース(UI)において重要な役割を果たします。主に以下の機能があります。
情報の可視化
新しい情報や未読メッセージの存在を視覚的に表現注意喚起
ユーザーの注目を集め、アクションを促す状態表示
アプリやシステムの現在の状態を簡潔に伝える
これらの役割は、ユーザー体験(UX)の中で「情報のスキャナビリティ(scanability)」と「フィードバック」という重要な要素を支えています。
課題
通知バッジの設計には、以下のような課題があります。
視認性と煩わしさのバランス
目立ちすぎず、かつ見逃さない設計情報の適切な抽象化
必要最小限の情報をどう伝えるかユーザーの認知負荷
過剰な通知によるストレスや注意散漫の防止一貫性
アプリ全体のデザイン言語との調和
これらの課題は、ヤコブ・ニールセンのユーザビリティ10原則の中の「システム状態の可視化(Visibility of System Status)」と「一貫性と標準化(Consistency and Standards)」に関連しています。
リスク
通知バッジの不適切な使用は、以下のようなリスクをもたらす可能性があります。
情報過多
過剰な通知によるユーザーの疲労感や無視誤った優先順位付け
重要でない情報への過度の注目ユーザビリティの低下
UI全体の視認性や操作性の悪化ユーザーの不信感
不要な「0」表示などによる信頼性の低下
これらのリスクは、心理学的には「注意の選択的配分(Selective attention)」や「認知的不協和(Cognitive dissonance)」といった概念と関連しています。
出典:Cognitive Bias Codex(SVG画像)
解決案
効果的な通知バッジの設計には、以下のアプローチが有効です。
ミニマリズム
必要最小限の情報だけを表示例:通知がない場合はバッジを非表示に
階層化
重要度に応じた視覚的な差別化例:色や形状を使い分けて緊急度を表現
カスタマイズ性
ユーザーが通知の頻度や種類を調整可能にコンテキスト考慮
ユーザーの現在の状況や行動に応じた表示
これらの解決策は、人間工学の「フィッツの法則(Fitts's Law)」や「ヒックの法則(Hick's Law)」を考慮しています。
出典:Fitts’ Law by Interaction Design Foundation.
まとめ
通知バッジは、小さな UI 要素ですが、ユーザー体験に大きな影響力を持っています。効果的な設計には、ユーザーの認知プロセスと行動パターンの深い理解が必要です。
「0件」をわざわざ通知表示するアプリは、まるで「今日もあなたに用事はありません」と毎日言ってくるおせっかいな隣人のようなものです。 そんなアプリになりたいですか? もちろんNoですよね。ユーザーを大切に思うなら、まずあなたが使ったときにどう感じるかよく考えてみてください。
昨今では、通知はしてもユーザーがその画面に一度アクセスしたら、たとえ中身を読まなくてもバッジを消す、というアプリも出てきています。ビジネスサイドの様々な事情で通知を送りたいことはあるでしょう。しかし、ユーザーに嫌がられたら本末転倒ではないでしょうか。
見放される前にしっかりと改善をしましょう。ユーザーの立場に立って考え、本当に必要な通知だけを適切なタイミングで表示することが、長期的なユーザー満足度につながります。
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