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ZOOMで講義。ブレイクアウトセッションも行いました。

 先日、ある大学の教員をめざしている4年生約180名を対象にZOOMで90分の講義を行いました。途中に3回のブレイクアウトセッションも実施しました。ZOOMで発信するのは初めてのことでしたが、大学スタッフの方の援助もありスムーズに進みました。
 今回は、その講義について書くことにしました。

1 講義の概要
(1) 講義のねらい
 本講義を通して、柔軟性や向上心をもって学び続ける教員になってほしいとの思いから、「あなたは変われますか!?」とのねらいを示しました。
(2) 概要
 事前に資料を配信し、講師(私)に質問したいことや講義で扱ってほしいことを考えさせました。それらを「この講座に期待すること」として、5人グループのブレイクアウトセッション①で交流しチャットに書き込ませました。また、ブレイクアウトセッション②では、「なぜ、教員になりたいの?」を交流させチャットに書き込ませました。
 その後、「こんな先生になってほしい」として講義を行い休憩をとりました。
 休憩中に、ブレイクアウトセッション①及び②に書き込まれたチャットの内容を確認しました。(その内容は次項「2」を参照してください。)
 休憩後の講義は、整理したチャットの内容を考慮して、学習指導に関することと講師自身の志望動機についてとしました。
 講義の最後は、職業人として仕事をするということと人権感覚を磨くということでまとめとしました。特に、人権感覚を磨くということでは、児童生徒を一人の人間として対応できるか、言いかえれば大人に対する対応と同じ対応ができるかと問いかけました。水平社宣言の一部を引用して「勦りではなく尊敬を」で締めくくりました。
 そして、ブレイクアウトセッション③を設け、本講義のねらい「あなたは変われますか!?」に基づき受講者自身でまとめを行い、その内容をチャットに書き込ませまそた。また、ここでは受講者に自発的な発言を求めました。しばらく沈黙が続きましたが、3人の受講者が発言をしてくれました。
 最後に、受講者の振り返り及び講義への評価として、「1 印象に残った『やりとり』は?」、「2 印象に残った『ひと』は?」、「3 今、考える『これから』は?」をGoogleフォームで回答を依頼しました。複数回送信している者も含め161名からの回答がありました。

2 受講者の反応
(1) ブレイクアウトセッション①の内容を分類すると
 ・学習指導に関すること
 ・児童生徒への対応に関すること
 ・働き方に関すること
 ・コロナ対応に関すること
 ・講師の教職経験に関すること
 ・受講者同士の交流から学びを深めたい
 ・教員としての資質能力を探りたい
(2) ブレイクアウトセッション②の内容を分類すると
 ・児童生徒時代の先生とのかかわり(先生への憧れ、先生からのつらい思い出、親が教員でその影響)
 ・児童生徒の成長にかかわりたい(学習、部活動、生徒理解)
 ・公務員としての安定
(3) ブレイクアウトセッション③の内容(一部)
 ・今すぐに変わるのは難しいかもしれないが、今日の講義や、今後の新しい出会いを大切にし、多くのことを吸収して変わっていきたいです。
 ・「変われない派」→今までの自分を大切にしたい&必要に応じて適応したい。「変われる派」→教員はいつも向上していかなければならない。
 ・変われる部分と変えてはいけない部分があると思う。
 ・実習を通して自分に自信を持ち過ぎていたが、この講義を通して謙虚な気持ちを持って生徒に接するなど変わっていきたいと思う。
 ・話を聞いて今の自分には難しそうで、変われないと感じた。
(4) 振り返りの内容
 設問1及び2は、ブレイクアウトセッションでの交流の場面や最後の沈黙後に発言してくれた場面のことがあげられていました。学びは受講者間でおきるものと理解しました。
 設問3については、卒業後の職業人としての在り方について、自身を見つめ直している様子がうかがえました。

3 講義を終えて
 講義を通して「主体的・対話的で深い学び」の授業改善の視点を大切にしたいとの思いから、自らの課題に気付いてほしいと考え、事前に質問等を考えさせたり、「あなたは変われますか!?」のねらいを提示したりしました。また、ブレイクアウトセッションを設け、受講者がアウトプットするとともに刺激を受け合う場面を設けました。そして、振り返りの3つの設問で講義を評価することとし、受講者に一定の変容があったのではないかと捉えています。
 ただ、振り返りの設問3で、講義内容に「共感し難い部分があった」との回答がありました。様々な経験や考え方をもっている受講者に対して、言葉をていねいに選び、ていねいに説明する必要があったと感じました。そうした時間を確保するためにも、内容を一層焦点化する必要があったと反省しています。
 オンラインでの発信(講義)を初めて体験し、「やりたいことができる(共同ホストとしてブレイクアウトセッションの様子を見にいくことができる)」ことを実感しました。今後、学校が実施する研究授業の在り方も変わっていくのではないかと思いました。 


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