中学校社会科教育実践研究会
中学校社会科教育実践研究会の定例会に参加した。
定例会は3か月に一度開催される。本来は5月だけど今回は後に述べる講師の都合の関係か6月に変更して、また研修会として半日の設定で開催された。
従来、定例会は土曜日の夜に設定されており、参加者は毎回10名程度。
今回の参加者は約40名。その半数が学生。
残念ながら、地域によっては全国大会につながる陸上競技大会の開催日と重なり参加できない先生もいた。
さて、今回のテーマは「公民的資質を育成するための小中接続を意識した社会科教育の実践に向けて」で、内容は実践発表と講演、研究協議。『中等教育資料』本年4月号に「小学校社会科を踏まえた中学校歴史的分野の学習」の記事があり、文部科学省が実施する都道府県等の指導主事を集めての会議のテーマも小中接続らしい。今、小中接続がトレンドなのか。明確に意識していたわけではないけど、私たちが実施する社会科の研修講座も小中社会科教育講座として再構成した。
実践発表は、「公民的資質の育成と社会的な見方・考え方を働かせる授業実践〜『民主政治と政治参加』を例にして〜」。発表者は9年目の教諭で、公的研究団ではここ数年専門研究員も務めている。
最近は、社会科のことよりも研修観の転換や業務改善に関心があるので、専門でなことはよくわからない。
印象に残ったのは、単元づくりを大切にしているということ。その際、まず振り返りシートから作成するという。そうして単元の「問い」との整合を意識すれば、毎時の授業にブレは生じなくなると感じた。
私が教員になったころ、公民的分野で民主政治とか民主主義について授業したとき、生徒会活動の在り方や学校生活との矛盾を感じていた。今で言えば校則の見直しにもつながることだと思うが、いつの間にか課題意識が消えてしまっていた。後の研究協議でもでていたけど、いかに自分ごとにするかというのは社会科とくに公民的分野では学校生活と直結するところがあるので、やりやすくもありやりにくくもありそう。
実践上の課題として学習評価のことがあげられていたけど、私流の捉えでいうなら、学習評価を難しく捉えすぎているように感じた。確かに生徒や保護者から説明を求められたらと考えるといいっかげんなことはできないけど。ここに現場と退職者の意識の差があるのかもしれない。
続いて講演。演題は「多様な公民的資質を想定した社会科授業づくりの理論と方法〜小中接続のためのゲートキーピングという考え方〜」。講師は当自治体にある教員養成系大学の講師。
いくつかの理論を紹介されたけど、印象に残っているのは、小学校教員と情報交換する際、教育内容が話題になりがちだが教育目標を話題にすることが重要とのこと。それは、おそらく学習指導要領解説の「参考資料」のところを共有することだと理解した。
最後に研究協議。4から5人のグループで「『公民的資質を育成するための小中接続を意識した社会科教育』についての実践交流と効果的な方法の検討」のテーマで協議。私たち現場から遠ざかっているものはフリーに割り振られ自由に動くことが許された。主催者と少し話したあとAグループに入ってみた。教諭3名、学生2名。学生から疑問を投げかけられたとき、私なら言葉にして明確に答えられないなあと思った。学生とともに協議することで刺激も受けるし、自分の考えを整理する機会にもなるし、自己有用感を感じることにもなる。なかなかいい工夫だったと思う。それにしても、学生が授業についてしっかり考えていることに感心した。
グループの司会者が気を使ってか私にコメント求めてきたので、先の学習指導要領解説の参考資料のことにふれた。
昨日は、NEW EDUCATION EXPO 2024 大阪に参加した。2日間、たくさんの刺激をもらった。
昨日も今日も同僚が参加していたので、それぞれの研修で得た私の気づきや学びをアウトプットしたい。そして、それが同僚のアウトプットを促すことになればありがたい。
次回の定例会は8月18日〔日)午後とのこと。これで夜開催から日中開催が定着すればいいと思う。
学生も含め様々な世代の方々の考えや思いが聴けたことに充実感を感じた。
次回が楽しみになった。
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