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ゆがんだ愛情
自分は多肉植物を育てています。水をあげるぐらいで、特にこれといって手をかけなくても、かれこれ5年以上も生き延びています。
実は5年も生き延びてくれるとは思いもよりませんでした。葉は生気なく、茎ばかりがひょろひょろして、正直見ためがとてもグロテスク…でもそれはこの植物の哀しい運命なのだと思い、それはそれで目が離せないというか、応援したくなるというか、ヨシヨシ可哀想なヤツとつぶやきながらかわいがっていたのでした。
それが今年の5月に引っ越して、これまで室内の北向きの窓辺に置いていたのを、ベランダに置くようにしたら、なんと、葉は規則正しくみっちりしげり、その一枚一枚の大きさが2倍程度になって、かたちも鋭く猛々しいぐらいに見違えたんです。
ひゃあ、この姿が本来の姿だったのか!と目を見張る思いでした。かつてのグロテスクな姿は、充分な日光に恵まれなかったために病み衰えた姿だったのでした…。
酷い仕打ちをしていました。ほんとうにゴメンなさい…
そうやって反省を口にしながらも、実のところ、健康な姿からは、愛情を傾けて育ててきた息子が、まったく別人になってしまったような不気味さを感じてしまう自分がいます。
姿はグロテスクでも、かつての多肉くんは自分の愛情を求めているような、いたいけなところがあったように思えてなりません…
…間違った愛の見本ですね…かつてのグロテスクな姿は、グロテスクな私の愛情そのままの姿であったと、今になって気づきました。