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あちらにいる鬼
瀬戸内寂聴先生の自叙伝的な映画でご本人の葛藤を生々しく描かれている映画。
自らも焼き尽くす色情怨念。
寂聴さん役の寺島しのぶさんの色っぽくとてもかわいい表情で男を誘う仕草。
男なら誰でも参ってしまうのでは?
と思います。
自分の中にも同じような鬼がいることを認めつつ、半端な自分に苛立ってもいる。
とことん振り切ってしまえばいっそ、楽なのでは・・・
いろんなことを考え、結局は意気地なしな自分がそこにいる。
子供の頃からなにも変わらず・・・
作中の相手、白木篤郎の己に正直に生ききっているところが羨ましくもあった。
それにもまして、その奥方のなんとも菩薩のような全てを悟り、赦し、愛する、その姿が美しかった。
広末涼子さんが好演されてます。
白木篤郎は豊川悦司さんが本当にどうしようもないでも幸せな男を演じ切ってます。
いまだに中途半端な自分
役者の方々も半端じゃない演技で臨んで作られた映画。
彼らもまた覚悟ができている。
自分に足りない覚悟はなんだ?
振り切る覚悟。
ある意味全てを捨てる。
幸せな自分を捨てる。
優しい自分を捨てる。
情け無い自分を捨てる。
泣き虫な自分を捨てる。
弱虫な自分を捨てる。
過去も未来も捨てよう。
生きてるのは今だから。