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"どピンクは全てを救う⁉️" 映画「キューティブロンド」感想文

何にでも食わず嫌いはあるのだが、殊更に私はマジョリティなカルチャーに対して逆張りムーヴをしてしまいがちだ。そのせいで、なんと20年近くもこの名作を見逃していた。キューティブロンド、見終わった頃にはまるで生きたバービィ人形のように常にニコニコしてトコトコ歩くエルに皆んな恋してしまう。何故なら彼女はとても魅力的で明るくポジティブであり、他人の為に尽くすことに惜しみない情熱を注ぐ最強のギャルなのだ。

ヘアーカラーに対しての偏見というのは恐らくは後天的な、メディアによって生み出されたアイコニックな存在によって定着したのだろう。ホームステイ先の娘さんも「馬鹿にされるから」と自前の金髪を黒髪に染めていた。当時はゴス(AUSではEMO=イーモゥ)が流行っていたので、その影響もあったのだろうが…EMOは今で云えば厨二病+病みかわ系+ゴシックカルチャーとでも言えば良いのだろうか。そういえば、バンパイアもののドラマも流行ってましたね。

本題が逸れました。主人公のエルはそんなゴスやEMOとは全く無関係、それどころかカースト上位のクインビーだ。しかし全く憎めないのはエルが天真爛漫で純粋であり、かつ惜しみない情熱によりかなり人望があるということである。

エルは生きたバービィ人形もといお姫様のようなルックスだが、役回りとしては自分の持ちうる力や努力で周りをハッピーにしてゆく、まるで童話の魔法使いのようだ。

エルによって最も人生を好転的にしてもらったのは美容院を経営するポーレットだろう。内縁関係の家から追い出され、愛犬と離れ離れ。未来を憂うポーレットを、エルは持ち前の明るさと学んだ知識で救ってゆく。その後なんやなんや結婚して妊娠までしたポーレットは影のヒロインであり、第二の主人公と言っても過言ではない。

当初はハーバードにそぐわない見た目をしたエルを邪険にしたり小馬鹿にしていた同級生も、やがてエルのパワフルな行動力に巻き込まれていく。最終的には元カレの今カノであるヴィヴィアンとすら和解し、なんやかんやあったが親友になったそうだ。ヴィヴィアンはあのクソデカ指輪を、馬鹿っつら男に突き返したのだろうか?その時のシーンも見て見たかったなぁ〜。

現実はこんなに簡単ではないし順調ではない。エルは運良く色々な人に助けられるが、そういうことはなかなか起きない。これは現代の御伽話というよりは寓話だ。しかし、私が娘を持った親だったならばディズニー作品よりこちらをオススメする。

続編の2も見たが、殺人事件の逆転勝利に比べるといささかインパクトに欠けるものだった。私はエルのチワワちゃんが雌だと思っていたので、雄だと知ってびっくりした笑。ドアマンのおじさんは世を偲ぶ姿であり、実は大物議員とかそういうのは無かった。おじさんはただただ良い人であり、最後は母犬を引き取ってくれるくらい良い人だ。

とにかく後にさわやかな爽快感しか残らないし、型破りにパワフルでキュートなエルにつられて私もなんだかニコニコしてしまった。続編でどピンクに染まりキラキラにデコレイトされたホワイトハウス、いやピンクハウスも是非見て見たかった。

今まさに春真っ盛り。どピンクキラキラでリフレッシュできるので、私と同じように食わず嫌いしていた人ほどオススメです🌸

ヘッダーお借りしました。どピンク🌸





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