糞の記事を前にも書いていた
少し前にデイリーポータルZに「悪魔の糞」というスパイスについての記事を書いた。
上野で見つけた「悪魔の糞」という名前のスパイス、いい名前なので買って帰ってカレーの隠し味に使ってみました、という記事である。結果として「悪魔の糞」は、カレーの隠し味にちょうどいい味と香りだった。
記事の中で僕がスパイスカレーを作っているのだけれど、書きながら気を付けたのは、いつもスパイスからカレーを作ってるやつ、と思われたくなかった、という点だ。
人は年を取るとだいたい面倒くさくなっていくものなのだが、中でも「3C」と呼ばれる面倒くさいやつの三大頭文字があるとどこかで聞いた。
一つ目は車(car)、二つ目はカメラ(camera)、そして三つ目が(カレーをスパイスから作る)である。
僕は車もカメラも好きなのでもう瀕死の状態なのだが、実はよくスパイスからカレーも作っているので終わっている。記事ではあたかも「初心者ですけんのう、レシピ見ながらあたふた作りましたわい」と知らない風に書いたがバレなかっただろうか。おれだって嫌われたくないのだ。
違う、今回言いたかったのはそんなことではない。
じつはこの悪魔の糞の記事を書きながら、なんか奥歯にものが詰まったような感覚がぬぐえなかったのだ。これ、おれ前にも書いてないか、と不安になりサイト内検索したほど(さすがに書いていませんでした。書いてたら別の意味で終わってる)。
その違和感は記事を公開したあともぬぐえないままだった。でも翌日くらいにはもう忘れて楽しい毎日をすごしていた。
そんなある日、というかさっき、冷蔵庫の掃除をしていてなんか中に黒い物体の詰まった小瓶を見つけたのだ。なんだっけこれ。
(写真は怖いので省略します)
僕は油とかタレとか木の実なんかを調理して小瓶に詰めてしばらく寝かせたものが美味しい、みたいな話を聞くと、すぐにやってみたくなる。結果、しばらく寝かせるつもりが3年くらい忘れていて腐らせて終わるのだ。今回見つけたこの小瓶もそのたぐいだろう。
そうだ心当たりがあるぞ、この記事だ。
緑の鼠の糞である。緑どころか黒くなったことでまさに糞みたいになった。
僕がスパイス「悪魔の糞」の記事を書くにあたって、なんとなく既視感があったのはこのせいだろう。鼠の糞の記事を以前書いていたのだ。
ここまでの考察から導かれる結論として
・おれは糞という響きが好きだ
・そして物忘れが終わってる段階である
・しかも面倒くさいやつの条件をすべて併せ持ち
・なのに嫌われたくないと思っている
最悪だ。今年はもうすぐ終わるから来年からがんばろうと思う。また忘れて糞の記事を書いてたら誰か注意してください。