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4月8日

煩悩を断ち切るということは、自分の心に浮かんでくる様々な思いや願望、欲、自己中心的な我を完全に無くすというような、そんな次元の話ではないだろう。

宇宙空間が無限に拡がっているのと同じように、人間の心も無限に拡がっていると考えてみてほしい。その無限の果て無き最果てに至るまで四方八方煩悩がびっしり詰まっていて、その真ん中に私がいるのだ。

煩悩を完全に断ち切るということは、この無限の宇宙空間をそっくりそのまま自分の力で全く異質なものに変えてしまうというくらいのことだと想像してみてほしい。そんなことは不可能だと誰しも瞬時に思うだろう。ならばその対象が宇宙ではなく自分の心だったとした場合、僅かでも実現できる可能性があると思うだろうか?

それほどのことに挑んで、実際にそれを成し遂げられた方がいる。4月8日はお釈迦様の生誕日。その教えである仏教が、人類というひとつの大きな命のうねりの中で連綿と相続され、現代に生きる私のもとに届いている。しかもその膨大な数の教えの中から、お釈迦様が最も説かれたかった教えが、私の心の一番奥、最も深いところにまで今至り届いているのだ。もし奇跡という言葉が使われることが許されるなら、私はこの事実をこそ奇跡と呼びたい。

南無阿弥陀仏


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