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100均のボードゲームに見る、「ゲームの引き算」の妙技。
さて、長らく更新が止まっていました、100均ボードゲームのレビュー記事シリーズ、改めて始めていきたいと思います。と言っても、今の時点では前に買った残り1個しか無いんですけどね。
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今回レビューするのは、ダイソーから出版されている、「クローバーブーケ」になります。
このゲームは、以前にゲームマーケットに出展されていたゲーム
実はこのゲーム、元になったゲームがある。2019年秋のゲームマーケットに出展された「白詰草の庭」である。
これがどういう経緯なのかよく分からないが、「クローバーブーケ」と名を変え、ダイソー出版から出版されるに至ったようである。
非常に少ないコンポーネント(内容物)
まず、箱を開けてみてびっくり、中に入っているコンポーネントは以下の物だけだった。
説明書が記載されているカード3枚
プレイカード20枚
これだけである。
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ゲームシステムは「例外ありハイナンバー」
さて、この少ないコンポーネントでどう遊ぶのかというと、
色違いのカード群をプレイヤー別に持ち、相手に数字のプレイ面を見せずに持つ。
同時に相手から1枚、カードを取る。
自分のカード1枚と、先ほど取ったカードを組み合わせ場に公開し、数字の大きなプレイヤーがそのラウンドは勝利、同数なら引き分け。
という、数字の大きさを競う「ハイナンバー」がゲームの基礎であり、この少ない文章で説明できてしまうのだが・・・。
例外とは?
実はこのハイナンバーゲームには、そのルールを根底から変えてしまう「例外」が存在する。それは説明書から引用する。
四つ葉が描かれた4のカードには特別な決まりがあります。
どちらかが組み合わせたカードの中に4のカードが含まれていた場合、その回に限っては数字の合計が小さかった方が勝者となります。
~
双方とも公開されたカードに4が含まれていた場合、または1人のプレイヤーが相手から引いた4のカードに自分の手札からも4を組み合わせて公開した場合、その回は数字の合計に関係なく、強制的に引き分けとなります。
上記の通り場に公開されたカードに、片方の相手のカードに「4」が含まれていた場合、ハイナンバーゲームがローナンバーゲームになってしまうのである。これによって、強烈な読み合いが発生し、少ないコンポーネントながら、何度もリプレイしたくなるゲームに仕上がっている。
ゼロの存在
あと、忘れてはならないのが「0」の存在である。
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この「0」は一見、ハイナンバーカードでは一番弱く見えるのだが、ローナンバーの例外が発生すると途端に一番強いカードに変身する。それだけではなく、「4」のバランスを調整する役目も担っている。仮にこのゲームが「1~10」という数字で構成されているとする。すると、
「1、2、3、4、5、6、7、8、9、10」
10枚のカードなので「5、6」がセンターとすると、4は若干ローナンバー寄りの数字という事になる。これを「0~9」にすることによって、
「0,1、2、3、4、5、6、7、8、9」
0を入れた事でセンターが「4、5」になる。この、
「大きすぎず、少なすぎない4のバランス」
が読み合いに深みを与えているのである。
ボードゲームは「足す」ことより「引く」事の方が、圧倒的に難しい
私の浅い知識では日本では、カナイセイジ氏が「ラブレター」以前に制作した「アールライバルズ」、Studio GGの方々が制作した「はらぺこバハムート」と、プレイするコンポーネントが20枚以下のミニマムなゲームはこれくらいしか知らないが、そのどれもが秀逸なゲームである。(残念ながら、私は「ラブレター」初版はプレイした事が無く、実は第2版もプレイした事がない)
コンポーネントの少ないゲームに共通する長所は、以下が挙げられる。
説明書が少ない(説明、インストが簡単)
リプレイが容易(コンポーネントを元に戻す時間が非常に短い)
携帯が容易(どこにでも気軽に持っていける)
だが、「リプレイしたいと思えるゲーム性」と、「コンポーネントを引く」行為は、非常に両立させにくいものだと思っている。コンポーネント1枚にかかるゲームバランスが非常に重いものになってしまい、例えばカード1枚バランスを間違えば、ゲームバランス全体が大きく崩れるものだと思っている。非常に危うく絶妙なバランスの上に、このようなゲームは成り立っているのだと思う。
このゲームの総評は?
さて、このゲーム「クローバーブーケ」の総評は、
「ゲームマーケット出展作品のクオリティが気軽に楽しめて、実際とても楽しい」
ということである。日本最高峰のボードゲーム出展会ゲームマーケットに出された作品であり、それが100円で買えてしまうという、脅威を通り越した先に足を突っ込んでいると思えてしまうのは、私だけだろうか?私の中でゲームマーケットという存在が、より大きくなってしまったと感じるゲームだった。このゲームの作者、久遠堂の久遠さんやこれを自社で出版すると決定したダイソー出版関係者には、頭が下がる思いである。
さて、かなり長い期間かかってしまいましたが、これにて100均ボードゲームレビューは一旦おしまいとなります。ブランクのあった期間に新しい100均ボードゲームもリリースされているようなので、また機会が有ったら始めて見たいと思います。