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「音楽劇Zip&Candy」感想

今回は先日行われた「音楽劇 Zip & Candy」の感想を綴りたいと思います。


いつか忘れてしまっても
また、思い出せるように。



一度は中止になった「音楽劇 Zip & Candy」。
時を経て、幕開けが叶うことになった。

まずは、千秋楽まで無事に迎えられたことが嬉しい…!
本当におめでとうございます。

岩立沙穂さんTwitterより>


観劇のキッカケは推しメンの岩立沙穂さん。

音楽劇の概要は以下のとおり。
AKB48からも何名かが出演しています。

「音楽劇 Zip & Candy」
2022年6月9日(木) ~ 14日(火)
@かめありリリオホール

■ジップ (Wキャスト)
岩田陽葵/生田 輝 
■キャンディ (Wキャスト)
岩立沙穂 (AKB48)/大西桃香 (AKB48)
■スカイ
石綿星南(AKB48)
■カン(Wキャスト)
福岡聖菜(AKB48)/武藤小麟(AKB48)
…他

<詳細は公式サイトへ>
https://zipandcandy-stage.com

「感想」というよりも
「観劇を通して感じたこと」が多めになるかも。

でやぁっ と、書いていきたいと思います。
ぜんぜん時系列じゃない。

※ネタバレを含みます。ご了承ください


めっちゃ泣いた


ありえん泣いたのよ。
特にジップとキャンディのやりとり。
ピークはやっぱりラストのシーンかしら。
マスクの下がベッショベショよ。


生田輝さんTwitterより>



観劇前、正しくは中止になった年に
無料公開されている原作を読んでいるので
展開はだいたい知っていた。

(…正直言うと途中まですっかり忘れてた。
メモリ容量が極少ゆえに←)

(でも) だから、ドラマティックな展開に驚き!興奮!涙ドーン!というわけではない。

じゃあなんで、なんで涙が溢れて止まらなかったんだろうかって考えたら、
たぶん、「純粋さ」だ。
2人の純粋さにひどく心を打たれたのだと思う。

大人になると、いろんなことを知っていくと、
ただ純粋ではいられない。
大切なものが増えていくと、考えるべきことが増える。
憎い と思う存在も作り上げられるかもしれない。

それがない、純粋な2人。

今からそうあろうとしてもなれない、
まっすぐなもので構成された2人が
あまりにも尊くて、涙を誘ったのかもしれない。


ちなみに私の最・尊いポイントはラストシーン、
絵日記にジップのことばかり描いてたキャンディちゃんです。

よっぽど楽しい日々だったんだね!
ジップのことめちゃめちゃ好きなんだね!
ってことが伝わってきて、名状し難い感情におそわれました。エモい。

大西桃香さんTwitterより>



可愛くて泣いた


さっほーキャンディちゃん、
可愛すぎんかった???


暴力的なまでの純粋さ・無邪気さ。

「あなた、そんな可愛いこと言うのっ…?!」って感じで涙出た。
自分でちょっと引いたけど可愛くて涙出た。

『1人になった時に “また会いたい”って思うの』

は、セリフも言い方も可愛さが致死量で
用法・用量をお守りくださいってなった。


あと、しぐさも可愛い。

ジップが最新型ロボットであるのに対し、
キャンディは旧型ロボット。
比べると少々ぎこちない動きをしていて、それがまた可愛い。

   ペンギンのように反った手、
   パタパタと慌ただしい歩み、
   分かりやすく出てしまう表情。
   (隠し事ヘタかよぉ)

愛おしい の権化だ。

 

「絵日記、買ってもらえる…?!」
の期待に満ち満ちたキャンディの表情は、
もう、それはもうっ…! である。
(語彙力はここで息絶えたようだ)


無垢な存在。
赤ちゃん動物を見ているような、そんな感覚に近しいものを感じた。
その笑顔、守りたい。


その一方で、
絵日記を買ってもらうことを遠慮してみたり、
スライスとクイックルの問いかけに
「絶好調…」
と気持ちとは裏腹な返事 (声のトーンは隠しきれてなかったけど) をしてみたりと、
気遣い屋でいじらしいところも彼女の魅力だ。

相手を思いやれる、心優しいロボット。


岩立沙穂さんTwitterより>


…そんなところが、“彼女” に似ているなぁと、こっそり想った。



正義があるから悪が生まれる


勧善懲悪の物語は分かりやすく、
その分かりやすさゆえに ある種の爽快感を感じられるものである。
解釈にかかるコストも少ない。

ジプキャンはそのタイプの物語ではなかった。
そして、それが心地良いと感じた。


この物語には倒すべき《共通の》敵はいなかった。
自分の大切なものや守りたいもののために、みんなもがきながら一生懸命に生きていた。

ママボも “ロボットではないママ” に対する発言とか
シンプルに物理攻撃とか見ると
やっべーやつなんだけど、抱く思いは
「息子を愛し、愛されたい」なんだよなー。
みんなそれぞれ大切なものがあるからぶつかってて。

岩立沙穂さんTwitterより>


そしてさらに (わたしから見ると) 特殊なのが、
ジップとキャンディ、そしてカンだと思う。

この子たちって本当に
純粋でまっすぐで、
自分の気持ちに正直で、
“今” を生きている

え?!なんでそういう展開になるん?
って思ったのは終盤。
「みなしご窃盗団」が
ジップを盗もうとしたせいで
廃棄工場に送られて、
そして救出しに行くシーンだ。

『ジップを盗もうとした “せい” で』

自分は頭の中で自然とこの言葉を使っていた。
しかし、ジップもキャンディもそのことについて恨み節を述べることはなかった。
(…たぶん。号泣してて聞き逃してたらごめんね←)

ただ純粋にここから脱出することを、
大切な人を救うことに向き合っていた。


カンも、境遇的には貧困や世の中を恨んでもおかしくないと思う。
でも彼女は底抜けに明るい。ずっと明るい。
「おもちゃー!」と、一貫して自分のワクワクする気持ちに忠実だ。

これはカンが社会に出られず、
物事を知らず、
純粋” なまま育ってきたことと、
2人 (…1人と1匹?) にめいいっぱいの愛を注がれて育ったからなのかもしれない。


武藤小麟さんTwitterより>


ジップ・キャンディ・カンの3人を見て、
「被害者 意識」が「加害者」を生み出すのだろう、と思った。
彼・彼女らにはそれがない。

どっちが良いとか悪いとかはないけど、
ほかの登場人物とのコントラストだなあと思った。


自分が動けば世界は変わる

自分が動けば景色が変わる
自分が動けば世界は変わる

大事なのは、君が行きたいかどうかだ

そうしてジップはキャンディを連れて、
自慢の翼で大空へ飛び立つ。
(羽根づかいが荒いやっちゃなあ!)

青地洋さんTwitterより>



まだ見ぬ世界への不安や
誰かの視線が気になって
新しいチャレンジを躊躇する人の背中を押すようなシーンだった。

一方で、クイックルとスライスは
「掃除してて綺麗になるのが幸せ」
「おいしそうに食べてくれるのが幸せ」
と、“日常にある小さな幸せ” を語る。

後藤紗亜弥さんTwitterより>


空を目指すのも、掃除するのも、料理するのも。
幸せとは何か」を考えさせられる。

…けど、今の自分が考えるには時間がかかりそうだから、今回はこれ以上は触れないでおく。



ああ、

悩むキャンディに「でも それぞれだから止めないよ」って尊重して優しく背中を押す
クイックルとスライスがなんだか眩しかったなあ。

旧型ロボットの3人、良いよね。
「機能的ではない」という表現なのだろうけど、ゴチャゴチャとしたビジュアルも好きだ。


舞台ってすごい


絵本の舞台化。
どんな感じになるんだろう、あんまり想像つかないなあって思っていたけど、
感覚としては
こちらが絵本の中を覗き込んだイメージ かも。

いわゆる「スチームパンク」ってやつ?
小道具もこだわっているのもあって、世界観に入り込めたと思う。
キャンディがサンドイッチ博士に内緒で観ていた、あのテレビも可愛かったなあ。

岩立沙穂さんTwitterより>

それから、演者さん。
演者さんが絵本に色を載せていった感じがした。
クレヨンもいいけど、イメージに近いのは水彩絵具かな?
優しいタッチ、優しい色。

もちろん絵本そのままのイラストも素敵で味があるものだったけど、
なんというか、舞台を通して絵本の中のジップやキャンディたちがもっと表情豊かになった、みたいな。

これもなかなか体験できない感覚だろうなと思いました。


「また会いたい」


正直、目が足らなかった!

初日からキャストさんがすでに楽しんで生きていることが伝わってきたし、
目で追えなかったところでもたくさん楽しいことが起こっていたに違いない。

本当にあたたかい座組だったんだろうなあ。
終わってしまったことが、少し寂しい。

生田輝さんTwitterより>

歌唱・ダンスシーンはいろんな人に注目して観てみたいし、

ベルトコンベアーで落とされて溶かされていく影の表現も好きだったし、

「ジップはサンタさんって描いてあったよ?」
「デタラメだよ!笑」
の仕掛けももう一回ニヤニヤしたいし、

Wキャストで観てないほうの物語も観たいし、

“寂しい” と “また会いたい” っていう気持ちはセットなのかもしれないし


…そんなわけで、DVDの到着が待ち遠しいです。
またね!

生田輝さんTwitterより>



ここまで読んでいただき、ありがとうございました!
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