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久々の絵本買い



書店に行ったら、『おせち』という絵本が、一等地に高々と平積みにされていた。
どんなものかとめくってみた。

材料と意味が、絵と言葉でひたすら描かれている。
絵は極めて精緻で美しい。
言葉は、こんな感じだ。
「くろまめ ぴかぴか あまい まめ。まめまめしく くらせますように」
そして最後におせちが完成する。
そのおせちは、彩りも褪せていて、豪華さのかけらもない。
ありきたりの材料が並び、ややもすると、ご飯と味噌汁があれば、そのまま晩飯にでもなりそうな料理。

しかし、少し前に見たデパートのカタログのおせちより、断然食欲がわき、これなら三が日、毎日食べられそうな気がした。
もはや材料になんの意味もなく、見てくれだけを強調し、豪華絢爛の高価なおせちを作り売るよりも、こんな素朴なおせちの方が断然売れると思うのは自分だけだろうかと、思った。

現実には、家庭で個人が作るものではなくなり、工場で大量生産されたものを買う世の中。
絵本のようなおせちは望むべくもないが、せめて「おせち」の意味を理解し、なぜこれを食べるのかを知っておくことが大切だ。
ただの豪華な正月料理としか理解できないようでは、将来、おせちの姿はまるで違うものへと変わるかもしれない。

そういった意味では、非常にシンプルでわかりやすい絵本だと思った。
お子様には是非読んでもらうべきだし、大人でも読める。
最後までめくったら、今年の11月が初版だというのに驚いた。
てっきり、50年くらい版を重ねてきたのかと思った。
「初版」につられ、一冊お買い上げした。





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