都心の秘境駅
JR京浜東北線・鶴見駅で鶴見線に乗り換えた。
目指す駅は一駅先。
「国道」という、国道15号線と旧東海道に挟まれた駅に着いた。
初めて降りる駅であり、その古さというかレトロさというか、映画「千と千尋の神隠し」の冒頭、現世からあちらの町に通じる駅の待合室のような建物のシーンにそっくりだったのに驚いた。
いつの時代からそのままなのか、不動産屋と飲み屋の看板が、そのまま建屋にかけられていて、昼間なのに暗い駅舎が、かえって風情の良さを醸し出していた。
首都圏に、こんな秘境駅らしき駅があるとは、そう感心しながら国道15号を渡り、目的の場所で一仕事終え、来たついでに、總持寺に寄ってみた。
だらだらとした上り坂を登った先には、緑が生い茂る広大な寺院がある。
静けさの中に、時折鳴る鐘の音が心地よく響く。
疲れ切った元気のない心身に喝を入れるべく、墓所の中でも一際目立つ、「元気ですかぁー」と今にも叫びそうな像の前に立ち、ビンタをもらったつもりで、鶴見駅に戻った。
気のせいか、元気になった気がした今日の日。