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緑と一緒に

東京・赤羽駅の西口に降りる。
駅前にそびえるイトーヨーカドーの脇の道を歩く。

少しすると、車道のトンネルの両側に階段があり、左側の階段を一段跳びで駆け登った。標高差およそ10メートル。その割には、ずいぶん高台に登った気がした。きらびやかな団地の中の並木道を歩き、そこから歩いて約15分、限界集落と呼ばれる「桐ヶ丘団地」に着いた。

およそ人の気配を感じない、「桐ヶ丘中央商店街」。
ゲートを抜けると、真っ青な空と、たなびく万国旗が視界いっぱいに広がる。その店のほとんどがシャッターで閉じられつつも、只のシャッターでは申し訳ないと言わんばかりに、華麗なスプレーアートが逆に寂寥感を醸し出していた。

商店街を抜けると、広々とした空き地に、緑の雑草と樹木が静かに、しかし目いっぱい陽の光を受け、気持ちよさそうに佇んでいた。
一度商店街に戻り、開店の雰囲気を一番に出していた自動販売機で冷たい飲み物を買った。

そして緑の大地に再度赴き、緑と一緒に、冷たい飲み物を飲みながら、静けさの中にわずかな風を感じ、青い空を眺めた。


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