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流れ星

駅から家までの夜の帰り道。
坂の上から見下ろすと、規則正しく並んだ街灯の明かりだけが、目に映る。

ふと顔を上げたら、流れ星が一筋、あっという間に流れ去った。
あまりの一瞬さに、なんら願い事を祈る間もなく、ただ呆然と空を見上げていた。

少しの間、もう一筋流れないかと、目を広くして眺めていたが、流れることは二度となかった。

月も星もいない今夜の夜空。
また歩いていれば、いつかまた見られるさ、と楽観的に自己完結し、家に向かって坂を下り始めた。

緑道の木々が一瞬風にそよいだ。


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