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事例紹介:相手方が賠償を拒絶している交通事故

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行政書士 東浦事務所は交通事故処理コンサルタント業務に自信ありの専門的行政書士事務所です。交通事故の困った、参った、めんどくせぇ!なんでもご相談ください。
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交通事故において、双方に過失があるケースにおいては通常、保険会社同士の話し合いの中で示談解決に向けて交渉していくことになる……のですが、現実的にはなかなか、「通常」という形にはならないのが現実です。今回はそんな「通常」を外れた交通事故の例を1点、ご紹介いたします。

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交通事故の概要

11月XX日、平日夕方 晴天 幹線道路第一通行帯にて発生
依頼者Aの運転する二輪車両は第一通行帯を走行していたところ、自車前方に路上駐車車両を視認、その右側方を通過するべく進路を変更し走行。また同時にAは、ほぼ同時に第二通行帯から第一通行帯へ進路変更してくる四輪車両(乙)があることを視認していたが、自車・乙車の速度感から問題がないものと思いそのまま進行を継続、進路変更を終えた乙車両がその左前方の路地に左折すべく急減速を行なったため停車しきれずに乙車両の右後方部分に追突したもの。
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いかがでしょうか。文章での表現が少しわかりづらくて申し訳ありませんが、この形態は、乙車両が進路変更に続き左折をするため減速、それによって依頼者Aの車両が追突する形となっています。この形態の論点は複数ありますが大きなところでは以下の通りです。

*乙車両の進路変更は終了していたか。
*Aの二輪車の事故は「追突」なのか。

依頼人Aは自分の追突加害であるのかどうかについて今ひとつ確信を持てないようでありました。一方で乙車運転者はAと双方の保険会社に自身の無過失、追突被害である旨の主張をしているようでした。

実際問題、こういった形態の場合に追突事故であるのか、それとも進路変更途中の事故であるのかは多くの交通事故で揉めるパターンです。追突事故であれば乙車両に悪意(民法上の悪意ではなく、害意の意味合いです)がない場合においては被追突車両に過失が生じることは原則ありませんが、一方で進路変更中交通事故である場合は一転して乙が第一当事者となります。これが二つ目に挙げている論点ですね。
※本件の場合、少しややこしいのが依頼者Aも駐停車車両を回避する進路変更動作を行なっており、その動作が正常に終了していたかどうかがはっきりとしません。本稿ではこの点、Aの進路変更動作は終了していたものとして話を進めます。

逆順になりましたが一つ目の論点、乙の進路変更動作が終了していたかどうか、この点は事故全体の結論を決定づける重要な部分です。つまり、乙の進路変更動作が終了していなかった(進路に対して真っ直ぐにならずに(進路変更動作が終了しないまま)そのまま斜行するように左折動作を起こしている)場合、進路変更途中であることを原因とした交通事故である疑いが強まるわけです。

(余談1)こういった事実関係の確認にドラレコは極めて有効です。本件の場合、A二輪車にはドラレコの設置がなく、乙車両には設置があったものの「収録されていなかった」として乙は保険会社等にドラレコ提供を行わなかったようでした。何か、不利になる可能性の映像が写っていたのか、あるいは、乙の契約する任意保険会社へは提供されたがそこで止まったのか……邪推でしかありませんのでこのあたりにしておきましょう!

さて、乙車両は自身が無過失であると主張をしているわけです。本件交通事故においてAは負傷をし救急搬送をされています。この治療費はどうなるでしょうか。この点、Aからすれば交通事故の示談解決と同じぐらい、あるいはそれ以上に重要です。Aは任意保険には加入していましたが自身の人身に関する保険(人身傷害特約)には加入していませんでした。この場合乙車両の修理費用の過失分については自身の保険が対応するため問題とならないものの、自分の治療費に対しては何らか、自身で対応しなければなりません。以下に幾つか、対応方法を検討してみましょう。

(余談2)今回はその加入がありませんでしたがAが自身の任意保険で人身傷害特約に入っていれば健康保険利用での治療を行いながらその保険給付を受けることが可能です。通常、人身傷害特約は過失割合に関係なく、また、示談を待たずに給付を受けることが可能ですからこういった保険に入っておくことは自らの身を守るために比較的有効であると言えるでしょう。

選択肢は大別すると以下の4つです。
*自身の保険に弁護士特約が付帯している場合、弁護士に交渉を委任
*自身が加害者であることを受け入れ、健康保険で治療を受ける。
*通勤途中の事故である場合、労災を検討
*自賠責保険に自身で請求する。

まずは一つ目、弁護士特約で弁護士に委任をする、ですが、交通事故のプロとしての目線で申し上げればこの件は弁護士委任をするべき案件ではありません。相手方との過失主張の隔たりが大きく、また、相手方の主張を覆すにはかなりの労力がかかる案件です。そして、治療が終了していない場合、その治療状況を管理しなければならないのですが、多くの弁護士は多忙でありそこまで手が回りません。(上がってきた診断書を見ることはするでしょうが、細かい治療についてのアドバイスなどはほとんど期待できません)そして、訴訟に向けての対応等は弁護士の専売特許ですが、自賠責保険などからの回収に関する知識は手薄な弁護士がかなりいます。「交通事故の弁護士特約」で登場する弁護士がそれでは困ると思うのですが、おそらく世間の多くの人が想像するよりも、弁護士は被害者請求の知識が薄いです。 

2案はつまり泣き寝入りですが、負傷をしているのが自分だけ(相手は怪我なし)なのであれば、これもまた選択肢としては全く無い訳ではありません。交通事故はとにかく時間と精神力を使います。日常の生活に1日も早く戻りたいから争わずにさっさと終わらせたい、という心理は当然に理解されて然るべきものであると思います。3割負担の範囲で治療を進めれば、それほど驚くような金額にはなりません。ただ、いわゆる第三者行為に該当するため、保険者に対して特別な書類の提出が必要です。
3案は状況が通勤である場合に限定されますがいわゆる通勤労災が適用できますから、その場合は勤務先に確認をするべきです。労災が適用されれば治療費の自己負担はなくなり、全額ではありませんが休業に対する補償もあります。
4案は自分で自賠責保険に請求する、という方法で、これこそまさに「自賠責保険被害者請求」です。自賠責保険被害者請求は保険会社はその方法を詳しくは教示してくれません。ネット上にはいくらでも情報が出てきますが、保険会社はそれらを教示したり解説する義務がある訳ではありませんから「そうしたいのでしたらそうなさってください、という態度です。そこで、行政書士の登場です。
自賠責保険被害者請求のメリットはいくつかありますが、書類さえ用意すれば相手方の意向など関係なく請求はできる、交通事故被害の最低限の救済が目的の保険のため、被害者請求に対する審査で比較的被害者優位の取り扱いが期待できる、この辺りは明確にメリットであると言えるでしょう。一方でデメリットは、書類の用意がかなり面倒である点、多少の専門的知識が必要である点です。

いかがでしょうか。相手方が賠償を拒絶、利用できる保険契約もない場合。こういったケースは案外身近に発生するものです。弁護士を入れてガチンコで争うような時間もガッツもないが少しでも保険給付を受けたい、という状況では自賠責保険の被害者請求はとても有効な方法です。弊所は交通事故の専門家である行政書士が自賠責保険被害者請求を軸に交通事故を案件終了までナビゲートする「交通事故処理コンサルタント」業務を行っております。どのぐらいの費用がかかるのかは案件によって変動がありますため、まずはお気軽に概要をフォームからお送りいただければ幸いです。相談はウェブ、電話について無料でお受けしております。(面談でのご相談の場合、大変申し訳ありませんが一律¥3000をお願いしております。ウェブ、お電話で完結する場合が殆どですが直接面談でのご相談をご希望の場合はまずはこちらもフォームからご連絡いただけましたら幸いです)

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以上、今回は少し長くなってしまいました。東浦がお届けしました。なお、今回の事例の件は実際に自賠責保険被害者請求を行い、現在結果を待っています。お怪我をされた被害者の方にとって良い結果となれば良いのですが。

また記事でも触れてまいります。
それでは、お疲れ様でした。


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