【ARI】🐍刮目せよ、呑み込まれる前に🐍【WBCメンバーまとめ(投手編)】
WBC、やってきましたね。皆さんはどこの国が優勝すると思いますか?
私は(企画でも出ると思いますが)以下のように予想しています。
やや穴狙い予想になりますが、そこそこ自信ありです。◎からのワイドと◎→◯、◯→◎の球単、◎◯→◎◯▲→◯▲の三連単は抑えたいですね
さて、今回のWBCでは国際大会の例に漏れず、多くのMLB所属選手が選出されています。もちろんD-backsからも。今回のnoteではWBCに出場するD-backs戦士の紹介と、期待される活躍についてまとめていきます。
一覧
以下が今回紹介する選手の一覧です。通常、私の記事では英語→日本語の転記が不確定なことを踏まえて基本的にローマ字表記にしていますが、WBC関連に限りカタカナ表記を併記することで対応します。今後出てくるであろう他媒体の記事とは表記が異なることがあると思われますが、ご容赦願います。
また、一覧表については以下の記事をもとに作成しています。
https://www.si.com/mlb/diamondbacks/news/13-diamondbacks-named-to-wbc-rosters
では、一人ひとりについて見ていきましょう。書いているとあまりにも長くなってきましたので、今回は投手のみに絞ります(人間は学ばない)
投手
Endrys Briceno(エンドリス・ブリセーノ)
2018年までタイガースの傘下でプレーしていましたが、FAになったあとは行方知れず。しかしその後も野球は続けていたようで、本人のTwitterでトライアウト時の動画などをアップロードし、アピールを続けていました。その甲斐あってか2021年に米独立・アトランティックリーグのサザンメリーランドに入団すると、51試合に救援登板し防御率1.87をマーク。この活躍も効いたか、昨年の10月にD-backsとマイナー契約を結んで念願のMLB組織復帰を果たしました。
ベネズエラ代表は右の救援投手がやや不足気味です。先発ではPablo Lopez(ツインズ)、Luiz Garcia(アストロズ)、German Marquez(ロッキーズ)などMLBローテクラスを複数揃えているのですが、右の救援となるとMLBクラスはJose Ruiz(ホワイトソックス)、Andres Machado(ナショナルズ)ぐらい。絶対的なリリーバーはおらず、どうしても格落ち感が否めません。このような状況からブリセーノに声がかかったということでしょう。
彼にとってはおそらく初めての代表でのプレーでしょうし、ぜひ飛躍のきっかけにしてほしいものです。
Gunnar Groen(ガナー・グローン)
グローンは2021年に大学を卒業した後、MLBと提携しているパイオニアリーグのオグデン・ラプターズでプレーしていました。そのプレーが目に止まり、2022年にD-backsとマイナー契約を結んで現在に至ります。マイナーではRk級で12試合に登板し24イニングで防御率5.63という成績。34奪三振を奪っているものの、20四球を与えてしまっており制球には課題がありそうです。
今回選出されたのは、生まれがイギリスのロンドンだったから。高校→大学はいずれもアメリカですが、それなりにイギリスへの愛着もあるようで本人のTwitterを見るとサッカー・ワールドカップのイギリス代表関連のツイートをRTしていたりします。
今回のイギリス代表はマイナーリーガー中心で、特に投手はTreyce Thompson(ドジャース)やHarry Ford(マリナーズ)らを擁する野手に比べてやや見劣りします。WBCの球数制限もあいまって、複数の投手が短いイニングを消化していく、ブルペンデーに近い継投となることが予想されます。その中でグローンに出番が回ってくる可能性は十分あるでしょう。格上との対戦が多くなるでしょうが、頑張ってほしいです(小並感)。
Merrill Kelly(メリル・ケリー)
かつては韓国球界も経験した苦労人。毎年ミドルスターターとして悪くない内容でそこそこイニングを消化してくれる優秀なイニングイーターという立ち位置だったのですが、2022年シーズンは一段レベルアップ。悪くない内容でめちゃくちゃ(200 1/3)イニングを消化してくれる超優秀なイニングイーターに進化しました。この活躍もあって、故障を心配して参加を辞退する先発投手も多い今回のWBCではエース格として期待されているようです。
WBCアメリカ代表のGMであるTony Reaginsが取材に答えた記事を見ると、ケリーは面談でもアメリカ代表のユニフォームを着て戦うことにかなり情熱を燃やしているとのこと。WBCは春先に行われるため、選手は調整を早める必要があります。故障も気がかりではありますが、戦う以上は全力を尽くして頑張ってほしいものです。(怪我しないでね❤️)
Eric Mendez(エリック・メンデス)
メンデスはオランダ王国の構成国であるアルバ島出身の23歳。オランダの野球といえばキュラソー諸島の印象が強い(ヤクルト→ソフトバンクのバレンティンなど)ですが、そのすぐ隣にあるアルバからもパドレスのXander Bogaerts(ザンダー・ボガーツ)が出ています。野球が盛んな地域であることには違いなさそう。
さて、メンデスですが2022年は主に1A級で救援投手としてプレーし、44試合・65 2/3イニングで64奪三振/49四球、防御率3.97という成績を残しました。四球の数を見る限り制球面にはかなり難がありそう。
また、以下の動画を見る限りはツーシーム系の速球とカーブ?スライダー?チェンジアップ?といった感じの持ち球のようです。とにかく力感のあるフォームですが、変化球の精度はかなり怪しそうですので、AA~AAA以上の打者相手には苦労しそう。
ただ、現在のオランダは投手不足です。選出された選手の中で、MLB組織に所属&メンデス以上のレベルにいるのはDerek Westだけですし、オランダリーグ所属選手はかなり高齢化が進んでいるためどの程度やれるかは未知数。メンデスにもかなり重要な場面で出番が回る可能性もありそうです。
何はともあれまだ若い投手ですので、ナショナルチームで活動する中で何かを掴んでほしいと思います。
Will Sherriff(ウィル・シェリフ)
シェリフは2021年4月にD-backsと契約した20歳。ただ、現在に至るまでMLB組織での登板は一度もないため多くの面で謎に包まれています。一方でオーストラリアのウインターリーグ(以下ABL)では2019年〜23年の4年間で18試合に登板、25イニングで27K/10BB、防御率3.24という成績が残っています。21-22シーズンは登板していませんから、この間にトミージョン手術などの大掛かりな手術を行なって全休していた、と見るのが自然かもしれません。
さて、ABLのレベルについて調べるとnote一本分は行けますので省略しますが、近年MLBと提携し、マイナーの有望株が送り込まれるようになったことで一定以上のレベルは担保されていると見ていいでしょう(元アストロズのジョシュ・レディックがいたりします)。その中でこの投球内容ですから、簡単に打ち崩せると見るべきではないように思います。
実際の投球動画を見ると、90mph弱?のストレートと70mph前半のカーブを主体とした投球スタイルのようです。腕の出る角度やどっしりとした体格、右打者の内角に投げ込むクロスファイヤーの雰囲気はMLBの投手というよりも東克樹(NPB・DeNA)を思い起こさせます。制球も安定しているように見えますので、いきなり投入されたら結構苦戦するタイプかも。
シェリフは現在20歳。オーストラリア召集選手の中では最も若いメンバーです。日本代表とも対戦しますが、格上の強打者と対戦する中で少しでも多くの経験を掴んで、レベルアップにつなげてほしいです。
Jacob Steinmetz(ジェイコブ・スタインメッツ)
スタインメッツは2021年ドラフトで3巡目(全体77位)指名を受けたプロスペクトです。2022年開始時のプロスペクトランキングではFangraphsでチーム内41位、MLB公式では21位にランクインしていました。196cm 99kgという恵まれた体格から投げ下ろす豪快なピッチングスタイルで、ドラフト時の速球は最速94mph、パワーカーブを武器としていました。一方で制球力には難を抱えていたようです。
参考
これを踏まえた上で今年の成績を見る限り、ドラフト時に抱えていた課題は全く改善されていないようです。今季Rk級で11試合に登板したスタインメッツですが、24イニングで27三振を奪う一方与えた四球は20。さらに11暴投を喫しており、なかなか思うようにストライクを取れない状態が続いているようです。一方で彼のインスタグラムに投稿された動画を見る限り、曲がりの大きいパワーカーブの威力は健在のよう。コマンドさえ安定すれば、ある程度登板機会はもらえるのかもしれません。
スタインメッツはその将来性だけでなく、プレー以外の面でもイスラエルにとって特別な選手です。彼は正統派のユダヤ教信者(Orthodox Jewwish)初のドラフト指名選手。これまで野球イスラエル代表にはほとんどイスラエル人がおらず、ユダヤ系アメリカ人選手がほとんどを占めていました。彼らの多くはユダヤ教徒であるものの、厳しい戒律を守っている正統派のユダヤ教徒はほぼ皆無。ユダヤ教国家というアイデンティティーを持つイスラエル代表にとって、彼の選出は大きな意味を持つのかもしれません。
イスラエル代表は2017年のWBCにおいて戦前の下馬評を覆し決勝ラウンドに駒を進めました。この時の戦いは「Heading Home:The Tale of Team Israel」というタイトルで映画化され、世界のユダヤ教徒から注目を集めました。今大会も厳しいブロックに配置されたイスラエル代表ですが、前大会のような番狂せを起こせるのか、スタインメッツがその中でどのような働きをみせられるかに注目です。
Mitchell Stumpo(ミッチェル・スタンポ)
スタンポはFangraphsのプロスペクトランキングでチーム内33位にランクインしていた現在26歳のリリーフプロスペクト。2023年のスプリングトレーニングには招待選手として参加しており、今季中のMLB昇格も十分にありうるところです。ストレートは最速98mph(157km/h)をマークするほか、スライダーも平均以上のキレを持っていると評されています。
2022年は年間を通して恐怖の投手地獄・AAA級リノ・エーシズでプレーしたスタンポですが、防御率で見ると3.53と凄まじい好成績を残しています。
は?リリーフで防御率3点台半ばとか普通やろそもそも防御率で投手を評価するなふざけんな野球の話するのやめろやボケと思われる方もいらっしゃるかと思いますが、リノが属するパシフィックコーストリーグ(PCL)のリーグ防御率は5.40。NPBのリーグ防御率はおおむね3点台前半、MLBでも4点台前後ですから、いかに打者有利かがわかります。
ただ、スタンポの課題は制球力。昨季43 1/3イニングで与えた四球は31と、AAAではかなりストライクを取るのに苦しんだ様子が見て取れます(この球団のピッチングプロスペクトこんなん多いな)。一発勝負の国際大会で、どの程度安定してストライクを投げられるかは気になるところ。
今大会のイタリア代表は投手・野手ともに比較的若く、実力も備えたメンバーが揃っている印象。グループを見ても十分に決勝トーナメント進出は可能です。スタンポもリリーフとしてその一翼を担ってほしいところです。
Boris Vecerka(ボリス・ヴェチェルカ)
そもそも読みがわからなくて悩んだのですが、Google翻訳のチェコ語で発音してもらったところ「ヴェチェルカ」っぽいので「ヴェチェルカ」で押し通します。テレビ放送で違う読みが出てきたらごめんなさい。
ヴェチェルカはチェコ代表の中では唯一のMLB組織と契約している19歳の投手です。2021年の12月にD-backsとマイナー契約を結びました。昨年まではチェコリーグでプレーしており、23 2/3イニングで32奪三振/31四球、防御率は6.10だったとのこと。成績的にはパッとしませんが、初年度は3 1/3イニングで10四球を与えていたことを考えれば大きく成長しているといっていいでしょう。現時点ですでに150km/h近い速球を投じているほかスライダーとチェンジアップも投げられるようです。また、Dbacksは彼がこのまま成長すれば将来的に100mph(160km/h)の速球を投げられるようになると考えているようです。
https://baseball-stat.cz/Hraci/index.php?id=1262
チェコ代表は今回が本戦初出場。それもあってか、ヴェチェルカをはじめとして非常に若い選手を多く選出した印象です。また、Eric Sogard(エリック・ソガード)を除いてほとんどの選手をチェコ出身選手で固めているのも印象的。日本とも対戦することになりますが、ヴェチェルカ含めチェコ代表がどのような戦いをするかにも注目です。
今回の記事は一旦以上になります。お読みいただきありがとうございました。後日野手編も出しますので、しばしお待ちください。
タイトル画像の引用元