2024年9月21日の政治・時事ニュース 「自己責任の国アメリカ」で今起きていること
本日は「俺は黒人のナチだ」という過去の投稿が掘り起こされたノースカロライナ州副知事の話題をお送りしました。これが中絶問題と接続し感情的な「男性と女性」の議論に発展しかねないという話です。
ただこの話「日本人にはよくわからないかもしれないな」と思いました。日本人は仕事がつまらないと文句を言いつつ今の職場にしがみつき副業で収入を増やすと言う人が増えています。これでは困るので総裁選では「解雇規制をゆるかやにして労働力を流動化しよう」という話が出てくるわけですよね。ただ、もう副業も諦めて「そこそこの収入で暮らしてゆこう」と消費を抑制する人もいるかも知れません。
解雇規制が緩やかなアメリカはどうなっているのか。労働者はできるだけ手に職をつけて転職活動を有利にしようとします。国がリカレント教育を行うと言う発想も乏しくおそらくは自費で学校に通います。
今回取り上げたケースではおそらくこうした事情を持った女性が予期せず妊娠してしまい(シングルペアレントなので結婚はしておらず子どもがいる)中絶を選択します。しかし、たまたま中絶手術規制の厳しい州に住んでいたために中絶薬を選びました。これが100%安全ということはないようです。合併症を引き起こし病院に行きましたが治療してもらえません。結果的に亡くなっています。
そもそもなぜ中絶規制が厳しいかというと「キリスト教的な価値観が強まっているせい」と説明されるのですが、おそらく女性をライバルとみなす男性の嫉妬心もあるんだと思います。Xなどではあからさまな女性差別発言を目にすることも増えました。
このあたりの事情はもうアメリカでは当たり前のこととされているため、敢えて語られることすらないわけです。
女性は自分たちの生活を守ろうと必死です。自己責任社会なので社会には頼れない。しかしそうなると男性がライバルということになります。男性は女性が社会進出することを好まないため「キリスト教」を持ち出して女性の社会進出を抑え込もうとうするわけですね。
かつてアメリカ合衆国は誰でも社会進出ができるし、収入が増やしたければ自由に学校に行ける余裕がある国とみなされていました。しかし、現在の状況はそうなっていない。ある種のゲームのようになっており誰もが社会に振り落とされないように必死に生きているわけです。
こうした「競争」が政治に拾われるとこれを利用して集票しようと言う人が出てきます。こうして対立が煽られてすべての有権者が何らかの形で巻き込まれていってしまう。そんな状況です。
かなり苛烈なゲームが行なわれていることが示唆されますが、少なくとも統計上はアメリカの経済は絶好調ということになっており、株価は連日最高値を更新し続けています。