やさしい想像力
感謝されたいから、
そうしたんじゃない。
あなたの力になりたくて、
ただ喜んだもらいたくて、
一生懸命だったの。
*
「あなたがいてくれて助かった」といわれたら、どんな気がしますか?
嫌な気がするという人は、まずいないと思います。
私たちには「必要とされる自分でありたい」という願望があるので、「人から感謝される」ことはとてもうれしいんです。
もしあなたが、誰からも必要とされず、「ありがとう」といわれることもなかったら、自分のことを「いてもいなくてもいい人間」のように感じて、やりきれなくなると思います。
「自分が人からされたらうれしいことを人にする」というのが、やさしい生き方の基本。でも、同じような行いをしても、「感謝される」場合と「おせっかいになる」場合があるのはどうしてでしょうか。
それは、相手が「助かった」と感じるか、「うっとうしい」と感じるかの違いです。
せっかく役に立とうとしたのに、「うっとうしい」と思われたら悲しいですよね。ところが、相手がどう感じるかは、そのときの相手の都合ばかりではありません。
役に立とうと思ったあなたが、知らないうちに相手に投げかけたものがあるんです。
では、あなたが相手に「何かしてあげよう」と思ったときの心の中をふり返ってみましょう。
「きっと感謝してくれるだろう」とか、「いい人だと思ってくれるはず」という期待はありませんでしたか?
もしあったら、あなたは ”見返り” のために行動したことになります。
”見返り” を期待する気持ちが大きければ大きいほど、自分のことで頭がいっぱいになって、相手の都合を無視しがちになります。
その結果、あなたの好意には「押しつけがましさ」が加わってしまうんですね。それだと、相手が「うっとうしい」と感じても仕方がないと思います。
あなたが感謝されるのは、あくまでも相手に「喜ばれた」結果なんです。
これからは、「相手は今、何を一番してほしいんだろう?」というやさしい想像力を働かせて、それを「ただ、してあげる」ようにしましょう。
わからないときや、迷ったときは、直接相手にたずねればいいと思いますよ。
★ 著書『今のわたしを好きになる本』(サンクチュアリ出版)より★