今、幸せでいよう
人生には、思うようにならないことが山のようにあります。
それでも、幸せに生きている人と、そうでない人がいるのはどうしてでしょうか。
人生が色あせて見えるのは、心が“過去”に置き去りになっているとき。
「失敗ばかりの人生で、一度だって報われたことがなかったなぁ……」
「あのとき、結婚できていればよかったのに……」
「あんなに一途に愛したけれど、ついに想いは通じなかった……」
そんな無念を引きずって過去に生きていると、毎日がどんどんつまらなくなっていきます。
そんなときは、心を“現在”に呼び戻しましょう。
「できることは全部やって生きてきた。後悔はない」
「結婚は、いつするかではなく、誰とするかが一番大切」
「精一杯愛したのだから、それでいい」
過ぎ去った出来事を、現在の自分をイキイキさせる糧にできると、心がどんどん強くなります。
そこに“未来”の夢を加えましょう。
「これまでの苦労が報われるのはこれから。本当にやりたいことをやる」
「これから私は運命の人に出会う。『彼に会うために今まで独身でいた』と思える日がきっとくる」
「誰かを愛することを、生きる喜びにしよう」
こうして未来の夢に向かって“今”を生きることが、幸せな人生のはじまりなのです。
あなたが幸せな気持ちで生きていけるかどうかは、心を「過去」「現在」「未来」のどこに置くかで変わります。
大切なのは、“いつか”幸せになりたいではなく、“今”幸せでいるという気持ち。
「いつか幸せになりたい」は、「今は不幸せ」という気持ちの裏返しです。
それだと、いつまでたっても「いつか幸せになりたい今」が続いてしまいます。
逆に、「私はなんて幸せなの」と“今”思えると、その「幸せな今」が、あしたも、あさっても続いて、幸せを実感する出来事がたくさん起こるようになりますよ。
「えーっ、どうして!?」と思いますか?
それは、あなたが生きられるのは“今”だけだから。
もうひとつは、あなたの“真実の想い”が未来を創るから。
たとえば、きのうショックなことがあって大泣きしたとして、「大泣きしたあなたを、今、見せて」と言われて、できますか?
同じように、あしたウキウキする出来事が待っているとして、「ウキウキするあなたを、今、見たい」と言われて、見せられますか?
きのうのあなたはもういないし、あしたのあなたはまだいません。生身のあなたがいるのは“今”だけ。
新しい考えを身につけたり、新たな行動を起こせるのは、今、ここにいるあなただけなのです。
“今”というときをないがしろにしたら、好きな未来を創り上げることはできませんよ。
今こそ、あなたの“真実の想い”を打ち上げましょう。
「真実の」と言ったのは、普段、私たちの想いの大部分は無意識のなかに沈んでいるから。困ったことに、そこには物心ついてから積み上げた恐れ、つまり「こうなったらイヤだ」という想いが山のようにあるんですね。
そのせいで、イヤだと思っていることや心配していることを現実に引き寄せてしまうのです。
けれど、想いはより強いほうが実現します。
無意識にある恐怖心を全部消すことはできなくても、それよりも強い想いを一つひとつ積み上げていくことはできます。
あなたが心から叶えたいと願うことを“真実の想い”として掲げましょう。
「その人の想いが、その人の未来を創る」という言葉を聞いたことがあるでしょう。私たち一人ひとりの想いには、そのくらい強い力があるんですよ。
もし、「運命の人と出会って一緒になる」という真実の想いを掲げたなら、“今を幸せに生きる覚悟”を決めることも忘れないでください。
中途半端な覚悟からは、中途半端な結果しか生まれません。
「もう、ひとりぼっちを不幸せの言い訳にしない。今を幸せに生きる!」と決意して、自分の今に“Yes!”と言いましょう。
すると、心の置きどころが変わって、これまで気づけなかった幸せにきっと気づくことができるから。
今日という日まで無事に生きてこられた幸せ。
たくさんの人が自分に目をかけてくれた幸せ。
自分を心配してくれる家族や友だちがそばにいてくれる幸せ。
運命の人とめぐり会うときを楽しみに待てる幸せ……。
こうした幸せをかみしめたとき、あなたの心に大きな感謝が芽生えるでしょう。
この“胸いっぱいの感謝”こそが、想いを叶える最大の力なのです。
その力が途切れないように、毎晩、あふれる感謝で胸をいっぱいにしてから眠るようにしましょう。
目が覚めたときに迎える新しい今も、その先に続く今も、ずっと、ずっと、あなたが幸せでいられるように――。
*
心を開いて「Yes」って言ってごらん。
すべてを肯定してみると答えがみつかるもんだよ。
ジョン・レノン(音楽家)
★ 著書『ありのままのあなたで』(かんき出版)より★