美しい生き方
私たちは生きている限り、いろんな問題にぶちあたります。
そこで、あなたにも思い返してもらいたいのですが、何か問題が起こったとき「今だからなんとか大丈夫だけど、これが何年か前に起こっていたら、逃げ出していたかも・・・」なんて感じたことがありませんか?
どうやら人生には、そのときの自分がギリギリで乗り越えられる出来事が用意されるようなのです。
新しい問題が起こるとあわてふためきますが、すでに経験済みの問題に対しては、動揺せずにさっさと対処できます。
これが成長の仕組み。
起こる問題を”跳び箱”に置き換えて考えるとわかりやすいでしょう。
その高さを一度クリアしてしまえば、「こんなの簡単!」と思えますが、腰が引けてしまうような高い跳び箱は、クリアできるまで何度もチャレンジするしかありません。
もし、長年あなたを苦しめている問題があるとしたら、それはずっと避けてきた跳び箱であり、人生の課題です。
勇気を出してその高さを跳び越える以外に、あなたが前に進む方法はありません。
その勇気を奮い起こすためには、「自分はどういう人間でありたいか」という信念を持つ必要があると思います。
その際、世間の人から正しいと思われそうなことを信念にするのではなく、あなたが心から「美しい」と感じられることを信念にしてくださいね。
それに基づいて動いていけば、あなたは自分の人生において常に正しい選択ができるからです。
生きることは選択の連続です。
でもその答えを選ぶ自分が、他人の意見に振りまわされたり、あやふやな答えしか出せないとしたら、悔いを残します。
かつての私がそうで、何を決めるにしても他人の目を気にしていました。
しかしあるとき、そんな自分に嫌気が差し、「もう、誰にとっても正しい答えを探すのはやめよう。人間として美しいと感じる方を、私の答えにしよう!」と決めたのです。
このときから、自分で出した答えに後悔をすることがなくなりました。
物事が思うように進まなくて逃げ出したくなったときも、
「逃げることは美しくない」と感じたので、もう問題を先送りしないことにしました。
おもわずグチが飛び出して言い訳したくなったときも、
「グチを言うのも言い訳するのも美しくない」と感じたので、もうグチも言い訳も口にしないことにしました。
すると自然に、「どんなことにも誠実に対応する」「何があっても人のせいにしない」という信念が心のなかに芽生えてきたのです。
こうして「自分はどういう人間でありたいか」を明確にしていったことで、さまざまな人生の課題に挑む勇気を得ていったように思います。
あなたが心から「美しい」と感じられることを、まわりの思惑に関係なく、大切にしていってください。
その信念をたずさえて、人生のゆく手をさえぎる問題を、ひとつずつ果敢にクリアしていきましょう。
そうすれば、おのずから生きる自信が備わってきます。
自信とは「自分を信じられる」という気持ち。
”美しい生き方を選んだ自分” を信頼することができたら、あなたは大きな自信と誇りを手にすることができますよ。
★ 著書『うえを向いて泣こう。』(サンクチュアリ出版)より★