心のダイヤモンド
素直になれたらかわいいのに
よけいな意地をはってしまう
素直になって悪いことはひとつもないのに
かたくなな態度をとってしまう
もっとかわいい自分になりたいな
今の2倍、素直になりたいな
だけど……
なかなか素直になれない
だったら
今の二倍、正直になろう!
自分の気持ちに
ぜったい嘘をつかないでいよう!
*
「正直者はバカを見る」という人がいますが、私はそうは思いません。むしろ「正直者は神々しい」と思います。
”正直”は “心のダイヤモンド”、人間を内側から輝かせる宝石なんです。
私たちは全員、この宝石を持って生まれてきました。その証拠に、自分を偽る赤ちゃんなんてひとりもいないでしょう?
それは ”素直”も同じ。私たちは全員、素直に生まれて、素直さを生涯うちに秘めて生きていきます。ただ、心が傷を負うと、天真爛漫に振舞うことをためらってしまうだけなんです。
あなたが「自分はあんまり素直じゃないな」と感じても、そんな自分を嫌わないで。そこには、素直になりたくてもなれない理由があるのだから。
その理由を汲み取ることが、素直な自分を復活させる近道です。
あなたは以前、素直に吐露した感情を人から無視されたり、からかわれた経験がありませんか?
もしかしたら、それで心が深く傷ついているのかもしれませんよ。
素直な自分を受けとめてもらえないと、心はショックを受けて「二度とあんな思いはしたくない」と思います。そして次からは、ありのままの自分とはかけ離れた態度をとることがあるんです。
その態度は、はた目から見れば、意地っ張り、あまのじゃく、ひねくれものと映るかもしれないけれど、実は悲しい防衛心の現われ。
素直な自分を封印して、ほしいのに「いらない」といったり、やさしくされたいのに「ほっといて」といっているのです。
素直になれない背景には、このような悲しい経験と複雑な感情があるのだから、素直になれない自分を責めることはありません。
一度、素直じゃない自分のことは忘れませんか。その代わり、とことん正直になりましょう!
正直の反対は “嘘つき”と単純明快。「嘘をつかない」というシンプルなことを実践していったら、あなたはきっと素直な自分を取り戻すことができるから。
目指すは「バカ正直」です。
少しくらいの嘘ならいいだろうという考えは完全に捨ててください。そして改めて、「自分に嘘をつかない。人にも嘘をつかない。それを何がなんでも貫く!」と心に誓いましょう。
自分に嘘をつかないということは、自分の気持ちをごまかさない。自分の本音にしっかり耳を傾けて、それを表わす勇気を持つということです。
どんな表わし方をするかはあなたしだいですが、あなたの本音を聞く人の気持ちにも配慮してくださいね。
例をあげましょう。
話題の映画が公開されたのであなたが友人を誘ったら、「もう観ちゃった。おもしろかったからまた付き合ってもいいよ」という返事。あなたはどうして自分を誘ってくれなかったのかとがっかりです。
さて、友人にどんな返答をしますか?
「別にもういい」というのは正直ではありませんよね。本当は観たいのだから「よかった、ありがとう」か、がっかりしたのだから「誘ってくれなかったことがショック」というのが正直だと思います。「誘ってくれないなんてひどい!」は非難になるので気をつけましょう。
あなたが正直な気持ちを押し殺しても、何か隠していることは、気配として相手に伝わるもの。逆に、嘘偽りのない気持ちをちゃんと話せば、相手はその場でフォローできるので、きっと温かな触れ合いが生まれるでしょう。
ただし、本音を伝えるときは、聞く人の身になって言葉を選ぶことが大事です。それが、本音を好意的に受け止めてもらえるか、毒舌になって相手を傷つけてしまうかの分かれ道になるから。
あなたの中には、心無い言葉で相手を傷つけたくないという正直な気持ちもあるはず。それを大切にしましょう。
相手にとってうれしくないことを伝えるときは、「申しわけないけど」とか「気分を害さないね」といった言葉を添えるだけでも印象が和らぎますよ。
もうひとつ大事なことは、あなたが正直でいるのなら、そこから先は“相手の問題”と割り切ることです。
あなたの言葉をどのように解釈して、どんな態度を取るかは、相手の自由。そう割り切っていないと、本音をいうたびに相手の顔色をうかがってビクビクしてしまいますよ。
人に合わせて自分をごまかすより、バカ正直な自分でいるほうが、結果はうまくいく。これは私の実感です。
あなたは、だれかに偽りの気持ちで接されたら、どう思いますか? 多少イヤなことでも、正直にいってくれたことを聞いたら、どう感じますか?
まわりの人たちに「あなたは嘘をつかない。信じられる」と思われることは、人としてかけがえのない財産です。
その意味でも、正直は心の宝石、ダイヤモンドなのです。
あなたのダイヤモンドに磨きをかけて、もっとうんと光らせてください。もう、背伸びしたり、相手を警戒する必要はありません。
ただイエスと思ったらイエス、ノーと思ったらノーといいましょう。そして、人の本音にも耳を傾けることを忘れないで。
それが“素直”ということです。
★ 著書『幸せは、すぐそばにあるから』(幻冬舎)より★