心配しない練習
あなたのいちばんの心配は何ですか?
自分の行く末ですか? それは収入? 仕事? 人間関係? 結婚? 離婚? 老い?……
心配は、ひとつ消えたと思っても際限なく生まれるし、老いや死など、私たちに抗えないものもたくさんあります。
心配のタネは一生なくならないとしたら、心配のタネをなくすのでなく、“心配するクセ” をなくしましょう。
そんなのムリと思わないで。いい方法があります。
まず「今から1時間、いっさい心配しない」を実行します。
心配がはじまったら、「あと30分はこんなこと考えない」「まだそうなると決まったわけじゃない」と思い直して気持ちを切り替えます。
次は半日。その次は1日……。
そしてぜひ、1週間にチャレンジしてください。
1週間後に心配を解禁したとき、あなたは痛感するでしょう。「わざわざ心配して苦しむなんて、もうしたくない」と。
それだけではありませんよ。その7日間に「ラッキー!」と感じることが何か起こっているはず。心配するエネルギーをほかのことに向けると、幸運の片鱗を引き寄せるようになるからです。
以前の私は、かなりの心配性でした。いつも考え過ぎて神経をすり減らして生きていました。
「心配して生きても、あっけらかんと生きても、人生は人生。だったら心配に使うエネルギーをもっと建設的なことに使いたい!」とつくづく思ったものです。
そこで、真剣に “心配しないクセ” をつけようと決心しました。「心配しないか、心配するか」は「自分の可能性を信じるか、信じないか」とイコールだと気づいて、自分の可能性を信じることにしたのです。
そして実行したのが先の方法。それが功を奏し、以降に決断した転職、転居、再婚に、もう迷いはありませんでした。
また「心配するより信じる」「あきらめるよりチャレンジする」と思って動きはじめると、いいことがどんどん付いてくることもわかりました。
心配しつづけるのをやめると、代わりに楽しみが増えます。楽しみが増えると、人生が刺激的になり、生きることはどんどんおもしろくなっていくのです。
「もう1週間」「もう1週間」とやってみることが “心配しないクセ” を身につけるコツです。
クヨクヨ・オロオロする気持ちに負けないよう、心配ごとを「別の角度」、つまり「可能性を信じる」「ときめいてチャレンジする」といった方向から眺める練習を、ひたすらくり返してください。
心配のタネは尽きないにしても、そのことで悲壮感を持ったり、心配するのは仕方がないとあきらめてはいけませんよ。
自分を明るく励ましながらやりましょう。
本来のあなたは、まだ心配することを知らなかった幼子のように好奇心旺盛で、明るく無邪気な心を持っているはず。
“心配しないクセ” を身につければ、そんなあなたの本質が現れてくると思います。そして二度とない人生を、今よりもっと積極的に生きはじめるでしょう。
★ 著書『やさしくて、ちょっぴり不器用なあなたに。』(サンクチュアリ出版)より★