体に「ありがとう」って 本気で言ったこと、ある?
体の「ここがイヤ!」と不満を言うばかりじゃなくて、
体に「ありがとう」って、本気で言ったこと、ありますか?
「自分の容姿が気に入らない」と、だれもかれもがつぶやきます。
それがコンプレックスになって心にのしかかってくると、
自分を毛嫌いして思い悩みます。
でもそのときは、まったく気がつかないのです。
それがどれほど“贅沢な悩み”か、ということに……。
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もしもあなたが、自分の容姿が気に入らなくて、自分を好きになれずにいたら……。
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「もっと鼻が高かったら、もっと足が長かったら」と不満タラタラ。。。
私にもそんな時代がありました。そのころは、「健康なのは当たり前」と思っていたのです。
でも、39歳のときに子宮を全摘することになって、“命”への考え方が根底から覆りました。病院のベッドで麻酔からさめた瞬間、想像も及ばない大きな力によって、自分が生かされていることがわかったのです。
――人間はみんな、たとえ「こんな自分なら死んだほうがマシ」と思っても、こうやって生かされている・・・生かされている命を預かっておく場所が、体なんだ。それに対して、細かなことでいちいち文句をつけるなんて、とんでもない。この授かった体を大切に扱うことが、自分を愛することだったんだ――と。
私は自分の体をぞんざいに扱って病気にしてしまったことを、心の底から反省して、傷口を撫でながら何度も体にあやまりました。そして、「これからは自分の体とうんと仲良くしよう」と決めたのです。
あなたの体は、まさに体を張ってあなたを支え、夢を叶えられるようにとがんばってくれているんですよ。あなたが生涯運命をともにする体を、もっとやさしく受け入れて、心から労わってあげましょう。
容姿は、そんな体のほんの外側の部分に過ぎません。もし、それを憎んで愛さないとしたら、自分が生かされていることを、素直に喜べなくなってしまうでしょう。
あなたの全部が、あなたの大切な命なのです。
★ 著書『ひとりで抱えこまないで』(幻冬舎)より★