「MMPIでMMPI-2を使う」ことを目指して学んでいます。「MMPI2(by1)」計画と呼んでます。その学びの一端をシェアしたいと思います。本ノートはMMPIヘビーユーザー向けです。
MMPI-2トレーニングスライドの「内容尺度、補助尺度、PSY-5」です。
このセクションはMMPIでいうところの「追加尺度」。これが整理されて、「内容尺度」「補助尺度」「PSY-5」になったわけです。今回は内容尺度。
MMPIユーザーからするとおなじみのWiggins Content Scaleの新バージョンと考えていいと思います。あたらしい尺度(就労障害とかタイプAとか治療抵抗とか)も加わっています。
内容構成尺度は内容尺度の下位尺度ととらえていいと思います。内容構成尺度の解釈文descriptorはみあたらないです。でもまあ内容尺度。そのタイトルはまさに内容を示す、のでしょう。内容構成尺度のそれぞれの尺度名と内容的に変わらない尺度が並ぶものと思われます。
一連の内容尺度がMMPI-3に引き継がれているのか、はわかりません。MMPIー2以降は、MMPI時代の追加尺度の乱立が統一されて、公式の追加尺度が並ぶようになっています(次のノート参照)。あたらしい追加尺度の乱世は平定されて、お上が治める秩序だった世界になったのがMMPIー2。江戸時代のごとしです。MMPI-3の公式追加尺度群は、ざっくりみるかぎり見覚えのない奴らばっかりにみえます。MMPIー3に内容尺度はないのかしら?
そもそもが、内容尺度は上記のように、表面的妥当性と合致した、被験者の「主観的」な評定によるもの。より意識的陳述に近い、反応を示します。どうしてそれが意味を持つかというと、臨床尺度が不均質な尺度で、隠ぺい尺度のように一見してその尺度内容と関連しないような尺度も含まれるような「雑多な」尺度だったこと、でしょう。
ちなみに、ぼくはいまでも、wiggins content scaleと対応する臨床尺度の差には少し注目します。意識の背後で「怒り」がうごめくか、意識しない「よくうつ」があるのか、といった視点は意外と良い切り口で、つかえるものとおもってました。